1974年~1976年のAOR名盤

2019年10月22日

AORの代表的なアルバムのうち、1974年~1976年に発売された28作品(Boz Scaggs, Ned Doheny, Nick Decaroなど)について、アーティスト名とタイトル、CDの再発状況などをまとめています。アルバムの内容については、管理人のレビュー記事を参考にしてください。

Boz Scaggs / Silk Degrees

なお、廃盤や未CD化のため入手困難な場合はその旨を示しました。また、メジャーなアーティストに関して複数のアルバムを紹介する場合は、1つ目を●、残りを○で区別しています。

スポンサーリンク

AORの名盤 (1974年)

2作品の紹介です。Nick DeCaroの『Italian Graffiti』は、"AORの誕生に大きく寄与した記念碑的作品"と言われています。管理人の所有CDの中田利樹氏によるライナー・ノーツには、本作についてNick DeCaro本人が次のようなコメントを寄せています。

当時(’70年代前半)流行っていたカーペンターズやビーチ・ボーイズのようなポップ・ミュージックに、もっと大人っぽいサウンド、つまりジャズやソウル・ミュージックのエッセンスを加えてみたら……というコンセプトで出来上がったのが『イタリアン・グラフィティ』なんだ

引用元:『Nick DeCaro / Italian Graffiti』CDライナー・ノーツ

AORという音楽の成り立ちを上手く表現していると思います。

  • 001: Nick DeCaro / Italian Graffiti

Nick DeCaroのファースト・アルバム。Tommy LiPumaと共同でプロデュースし、Al Schmittがエンジニアを担当。新旧織り交ぜた選曲ですが、それらを違和感なく同居させるアレンジのセンスが光ります。AORの誕生に大きく寄与した記念碑的作品と言われる名盤。

  • 002: Randy Edelman / Prime Cuts

後に数多くの映画音楽を手がける作曲家、Randy Edelmanがシンガー・ソングライターとして活動していた頃の3作目。素朴で優しいAOR集になっています。ソニーの「AOR CITY 1000」シリーズから1stの『If Love Is Real』(77年)と2ndの『You're The One』(79年)が再発されています。

AORの名盤 (1975年)

5作品の紹介です。『Brownsmith』については残念ながら、CDを手に入れるのが難しいです。

  • 003: Paul Simon / Still Crazy After All These Years (時の流れに)

アメリカを代表するシンガー・ソングライター、Paul Simonのソロ活動の4作目。「恋人と別れる50の方法」(米1位)、「My Little Town」(米9位)がヒットし、グラミーの “Album of the Year" と “Best Male Pop Vocal Performance" の2冠を受賞した名作。ソニーの「AOR CITY 1000」から本作と80年の『One Trick Pony』のCDが同時に再発されています。

  • 004: Daryl Hall & John Oates / Daryl Hall & John Oates (サラ・スマイル)

Daryl HallとJohn Oatesによるブルー・アイド・ソウル・デュオ、Hall & Oatesの4作目。全米4位のヒットを記録した「Sara Smile」は、彼らに影響を与えたフィリー・ソウルに対するオマージュ。Daryl Hallの歌声が美しく、心にしみ入るようにメロウです。

  • 005: Dave Mason / Split Coconut

Beat Goes Onレーベルから2008年に、1974年作『Dave Mason』との2 in 1のCDが発売されています。また、ソニー・ミュージックの「AOR CITY 1000」シリーズから2017年8月に、1977年作『Let It Flow / 流れるままに』と1980年作『Old Crest On A New Wave / 明日へのチャンピオン』のCDが再発されました。

  • 006: Hirth Martinez / Hirth From Earth

シンガー・ソングライターやセッション・ギタリスト、また詩人としても活動するLA生まれのミュージシャン、Hirth Martinezのデビュー作。バラエティに富んだ飄々とした音。2018年5月にワーナーの「新・名盤探検隊 紙ジャケ編」から紙ジャケット仕様・高音質CDで再発されました。

  • 007: Brownsmith / Brownsmith
Brownsmith / Brownsmith

Don Brown(vo, g)とGarrett Smith(b)によるデュオ・グループ、Brownsmithの唯一のアルバム。入手の難しいアルバムです。Don Brownにはソロ・アルバムがあり、77年のAOR作『I Can’t Say No』はおすすめ。

AORの名盤 (1976年)

21作品の紹介です。Boz Scaggsの『Silk Degrees』, Ned Dohenyの『Hard Candy』, George Bensonの『Breezin’』などの名作が生まれた年です。一部、入手困難な作品があります。

  • 008: Boz Scaggs / Silk Degrees
  • 009: Boz Scaggs / Down Two Then Left (1977年)
  • 010: Boz Scaggs / Middle Man (1980年)
    ※『Silk Degrees』の発売40周年を記念したソニー・ミュージックの「AOR CITY 1000」シリーズから2016年7月に、これら3タイトルのCDが再発されました。 同じシリーズから2017年8月に、88年作『Other Roads』のCDも再発。 また、5CDのBOXセット『Original Album Classics : Boz Scaggs』もお薦めです。

Boz Scaggsのおすすめのアルバムについては、こちらにもまとめていますので、参考にしてください。

  • 011: Ned Doheny / Hard Candy
  • 012: Ned Doheny / Life After Romance (1988年)
    ※ソニー・ミュージックの「AOR CITY 1000」シリーズから2016年7月に『Hard Candy』のCDが再発されました。 同じシリーズから2017年8月に、1979年作『Prone』のCDも再発です。
  • 013: John Valenti / Anything You Want (永遠の誓い)
  • 014: John Valenti / I Won’t Change (女はドラマティック) (1981年)
    ※ソニー・ミュージックの「AOR CITY 1000」シリーズから2016年8月に『I Won’t Change / 女はドラマティック』のCDが再発されました。
  • 015: George Benson / Breezin’

60年代から活躍するアメリカのジャズ・ギタリスト、George Bensonのメロウな名作。プロデュースをTommy LiPuma、エンジニアをAl Schmittが担当しています。本作に加えて『Weekend In La』(78年)や『Give Me The Night』(80年)などの5作品を収めたBOXセット『Original Album Series : George Benson』もおすすめ。

  • 016: Jaye P. Morgan / Jaye P. Morgan

人気ポップス・シンガーのJaye P. MorganをDavid Fosterが全面プロデュースした作品。優れた選曲と、選りすぐりのミュージシャンによるフレッシュな演奏は、金澤寿和氏の著書において「70年代のフォスター作品では間違いなく最高の出来」と称賛されています。

  • 017: Gino Cunico / Gino Cunico

オーストラリア出身のミュージシャン、Gino Cunicoのソロ2作目。Ginoの歌の上手さを引き立たせる良曲をセレクトしたポップ・ヴォーカル・アルバムです。後にBarry Manilowが歌って全米20位をマークする「When I Wanted You」を収録。ソニーの「AOR CITY 1000」シリーズから2017年8月にCDが再発されました。

  • 018: Faragher Brothers / Faragher Brothers

Faragher Brothersは、Danny(vo, k), Jimmy(vo), Tommy(vo, k), Davey(b)の兄弟4人から成るブルー・アイド・ソウルのファミリー・グループ。本作はそのファースト・アルバムで、多彩で気持ちのいい楽曲が揃っています。

  • 019: David Batteau / Happy In Hollywood

David Batteau(バトー)はニューヨーク生まれのソングライター。Valerie Carterの歌った「Wild Child」のような印象深い曲を書くライターです。本作はその唯一のアルバム。Jeff Porcaroが全曲でドラムスを演奏しています。

  • 020: Turley Richards / West Virginia Superstar

Turley Richardsは、本作のタイトルが示すとおり、ウェスト・ヴァージニア州生まれのシンガー・ソングライター。これは3作目で、SSWのアルバムらしい前2作と比べると、時代の空気を汲んだかのようなソフト&メロウ路線。洗練されたブルー・アイド・ソウルを聴くことができます。

  • 021: Rob Galbraith / Throw Me A Bone

Rob Galbraithはテネシー育ちのシンガー・ソングライター。デビュー作はスワンプ・アルバムの傑作とされているが、セカンド・アルバムとなる本作は、ソウルやファンクの要素を取り入れてサウンドを一気に洗練させた、メロウ&グルーヴィーな内容です。

  • 022: Voudouris & Kahne / Street Player
Voudouris & Kahne / Street Player

Roger Voudouris(vo, g)とDavid Kahne(vo, k)によるデュオ・グループの2作目。入手の難しいアルバムです。Roger Voudourisは、後にMichael Omartianのプロデュースにより、AORのアーティストとしてソロ・デビューを果たしています。

  • 023: Silver / Silver (シルヴァー・ファースト)

LAで結成された5人組、Silverの唯一のアルバム。ミュージシャンとして生きていくことの決意と悲哀を歌った「Musician」が感動的です。ポップで爽やかな「恋のバンシャガラン」も全米16位のヒットを記録。ソニーの「AOR CITY 1000」シリーズから2016年にCDが再発されました。

  • 024: Cate Brothers / In One Eye And Out The Other (兄弟の絆)

Earl Cate(vo, g)とErnie Cate(vo, k)の双子の兄弟によるブルー・アイド・ソウル・デュオ、Cate Brothersのセカンド・アルバム。骨っぽいソウル・ナンバーが多く、二人の歌いっぷりも白人のデュオとは思えないほどソウルフルです。

  • 025: Parker McGee / Parker McGee

England Dan & John Ford Coleyの「秋風の恋」(米2位)などで知られるソングライター、Parker McGeeの唯一のアルバム。柔らかい陽光の中で穏やかな風に吹かれているような心地よい音です。ワーナーの「新・名盤探険隊」シリーズから2014年5月にCDが再発されました。

  • 026: Richard Kerr / Richard Kerr

CDは入手は難しいですが、Amazonのデジタル・ミュージック・ストアからMP3フォーマットでアルバムを購入可能です。

  • 027: Jimmie Spheeris / Ports Of The Heart

Jimmie Spheerisは、柔らかいアコースティック・サウンドを基調に、ロック、ジャズ、R&Bなどの要素を取り入れたアルバム作りをするミュージシャン。本作は4作目で、Chick Coreaが参加しています。ソニーの「AOR CITY 1000」シリーズから2017年8月にCDが再発されました。

  • 028: Kalapana / Kalapana II (ワイキキの熱い砂)

ハワイを代表するグループ、Kalapanaのセカンド・アルバム。「愛しのジュリエット」や、邦画『波の数だけ抱きしめて』で使われた「虹を追う男」を収録しています。2013年4月にSOLIDレーベルから、Original recording remasteredで再発されました。同時に、デビューから1981年までの9作品も発売されています。金澤寿和氏監修です。

スポンサーリンク