Faragher Brothers / Faragher Brothers (1976年) – アルバム・レビュー

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Faragher Brothersの1976年のアルバム『Faragher Brothers』の紹介です。

Faragher Brothers / Faragher Brothers (1976年) フロント・カヴァー

Faragher Brothersは、Danny(vo, k), Jimmy(vo), Tommy(vo, k), Davey(b)の兄弟4人から成るブルー・アイド・ソウルのファミリー・グループ。4枚のアルバムを残しており、本作はファースト・アルバムである。

Bonesというバンドで活動していた兄二人(Danny, Jimmy)が、弟二人(Tommy, Davey)と新しいグループを立ち上げたのが、このFaragher Brothers。この年、Dannyは29歳、Daveyは19歳である。

Curtis Mayfieldの在籍したThe Impressionsの1963年のデビュー盤『The Impressions』から、「It's All Right」をカヴァーしていることを除いて、全曲が彼らのオリジナル。曲作りの中心はJimmyとTommyで、リード・ヴォーカルも二人で分担している。野性味のあるJimmyが4曲(2, 3, 5, 6)を、ソフト & マイルドなTommyが3曲(7, 8, 9)を担当し、残りは二人で歌っている。二人とも、声が温かくてソウルフル。

曲がとてもいい。グルーヴィな「The Best Years Of My Life」の気持ちよさといったらないし、「Never Get Your Love Behind Me」はうっとりするようにメロウ。オールド・ソウル風の「You Touched Me」や「Go Where We Want To」もよくできていて、ブルー・アイド・ソウルのお手本のような内容。トロピカルなムードの「Please Hurry Up」や、ボサノバ風の「Never Felt Love Before」も心地いいアクセントになっている。

3作目以降には弟のMartyと妹のPammyも加わって、6人編成に。4作目ではグループ名をThe Faraghersに変えてストレートなロック・アルバムを作るが、これが最後となり、彼らは解散してしまう。

その後、Tommyはプロデューサーやソングライターとして、Daveyはベース奏者として、Dannyはソロ・アーティストとして活動している。Danny Faragherの最新アルバムは2015年の『Dancing With the Moment』。アコースティックな風合いの先鋭的なサウンドになっており、好みが分かれるかも。

●収録曲
  1. The Best Years Of My Life
  2. Never Get Your Love Behind Me
  3. It's All Right
  4. In Your Time
  5. Please Hurry Up
  6. Losing Cause
  7. You Touched Me
  8. Go Where We Want To
  9. Never Felt Love Before
  10. Give It Up

◆プロデュース: Vini Poncia

◆参加ミュージシャン: Jimmy Faragher(vo), Tommy Faragher(vo, k), Danny Faragher(vo, k, per, tb), Davey Faragher(b, per)
with David Wolfert/Pat McClure(g), James Newton Howard(k), John King(per), Lenny Castro(per), etc

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