Cuba Gooding / The 1st Cuba Gooding Album (1978年) – アルバム・レビュー

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Cuba Goodingの1978年のアルバム『The 1st Cuba Gooding Album』の紹介です。

Cuba Gooding / The 1st Cuba Gooding Album (1978年) フロント・カヴァー

Cuba GoodingはNY生まれのソウル・シンガー。60年代後半から70年代にかけて活躍したソウル・グループ、The Main Ingredientのリード・シンガーを担当し、ファルセット・スタイルの柔らかい歌声を生かして、「Everybody Plays the Fool」(72年, 米3位)、「Just Don't Want to Be Lonely」(74年, 米10位)のTop 10ヒットを生んでいる。

この『The 1st Cuba Gooding Album』は、タイトルを見ると分かるように、Cuba Goodingのソロとしてのファースト・アルバム。ストレートなソウル・アルバムではなく、都会的な洗練をさり気なく纏ったメロウなポップ・ソウル・アルバムになっている。

都会的な味つけの面で貢献したのがDavid Fosterで、6曲(1-3, 5, 6, 9)のリズム・アレンジを担当。いつもの煌びやかなFosterアレンジではなく、Cuba Goodingの歌声から香るソウル・フィーリングを尊重したマイルドなアレンジだ。

金澤寿和さんのディスク・ガイド『AOR Light Mellow』によると、山下達郎がFM番組で "一番好きなフォスター作品" としてこのアルバムを紹介したとか。確かに、サンデー・ソング・ブックのオンエアリストによると、2曲目の「All I Can Give You Is Love」は過去に4回オン・エアーされているようだ。

プロデュースを担当したのは、Brian PotterとDennis Lambert。二人は、The Righteous Brothers、Glen Campbell、Dusty Springfield、Tavares、Playerなど、ポップ~ブルー・アイド・ソウル系のアーティストのプロデュースや曲作りを数多く手がける名コンビ。このアルバムでは、Patti Austin作の「We're In Love」と、James Whitney & Norman Kurban作の「As Long As There's You」を除くすべてを書いている。

「We're In Love」のオリジナルは、Patti Austinの77年の名作『Havana Candy』の収録曲。また、「Someone To Go Home To」は、Tavaresの74年のアルバム『Hard Core Poetry』からのカヴァーだ。

Cuba Goodingは2017年4月に72歳で永眠。4人の子供がいて、そのうちの一人は映画俳優のCuba Gooding Jr.。96年公開の映画『ザ・エージェント』(原題:Jerry Maguire, 主演:トム・クルーズ)』でアカデミー助演男優賞を受賞している。

●収録曲
  1. Mind Pleaser - 4:16
  2. All I Can Give You Is Love - 5:51
  3. Where Would I Be Without You - 3:54
  4. Hold On To What You Got - 4:20
  5. Fool Of The Year - 5:02
  6. We're In Love - 4:00
  7. Ain't Nothin' To It - 3:46
  8. Someone To Go Home To - 3:41
  9. As Long As There's You - 3:23

◆プロデュース: Dennis Lambert(k, bv, ar), Brian Potter

◆参加ミュージシャン: David Foster(k, ar), Dean Parks(g, ar), Ray Parker Jr./Jay Lewis(g), Joe Sample/Michael Omartian(k), Bill Cuomo(sy), Scott Edwards(b), James Gadson/Ed Greene(ds), Tom Scott(sax), Julia Waters/Maxine Waters(bv), etc

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