Mark-Almond / Other Peoples Rooms (1978年) – アルバム・レビュー

2024年1月3日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Mark-Almondの1978年のアルバム『Other Peoples Rooms』の紹介です。

Mark-Almond / Other Peoples Rooms (1978年) フロント・カヴァー

Mark-Almondは、イングランド生まれのJon Mark(vo, ag)とJohnny Almond(sax, flute)によるポップ・ロック・デュオ。1970年から81年までの活動期間にライヴ・アルバム1枚を含む8枚のオリジナル・アルバムを発表しており、この『Other Peoples Rooms』は6作目にあたる。

プロデュースを担当したのはTommy LiPuma。また、レコーディングとミキシングをAl Schmittが担当した。LiPumaとSchmittは、エレガントでメロウ、洒落たサウンドのアルバムを数多く手がけた名コンビで、AORでは、Nick DeCaroの『Italian Graffiti』やGeorge Bensonの『Breezin'』、Michael Franksの『The Art Of Tea』や『Sleeping Gypsy』などが知られている。

このアルバムはかなり個性的。独特の "けだるさ" のある楽曲を、ジャジーでエレガントなサウンドに仕立てており、まるでMichael Franksのアルバムみたい。Jon Markのヴォーカルも個性的で、ハスキーでふくよかな歌声は、Alan Parson's ProjectのEric Woolfsonを思わせる。

実際に本作では、Michael Franksの同じ年のアルバム『Burchfield Nines』から「Vivaldi's Song」がカヴァーされている。このアルバムも、LiPumaとSchmittのコンビが手がけた。

カヴァー曲がもう1曲あり、それはDanny O'Keefe作の「You Look Just Like A Girl Again」。O'Keefeの77年のアルバム『American Roulette』に収録された名曲だ。

バック・ミュージシャンは、John Tropea(g), Leon Pendarvis(k), Will Lee(b), Steve Gadd(ds)等、ジャズの精鋭たち。演奏は洗練しており、抜群の安定感がある。

薄暗い明りのともる女性の部屋をのぞき見ているようなジャケットも、妖しい世界を演出。それぞれの曲が、このカヴァー・アートのような魅惑的なムードに包まれていて、不思議な統一感のあるスタイリッシュなアルバム。2015年に紙ジャケット仕様の輸入盤のCDが再発されており、おすすめ。

●収録曲
  1. The City - 6:10
  2. Girl On Table 4 - 5:02
  3. You Look Just Like A Girl Again - 5:00
  4. Other Peoples Rooms - 3:52
  5. Lonely People - 6:10
  6. Just A Friend - 4:12
  7. Then I Have You - 2:34
  8. Vivaldi's Song - 5:33

◆プロデュース: Tommy LiPuma

◆参加ミュージシャン: Jon Mark(vo, ag), Johnny Almond(sax, flute)
with John Tropea(g), Leon Pendarvis(k), Larry Williams(sy), Will Lee(b), Steve Gadd(ds), Ralph MacDonald(per), Jerry Hey(flugelhorn), Claus Ogerman(orch ar)

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