Henry Gaffney / On Again, Off Again (1978年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Henry Gaffneyの1978年のアルバム『On Again, Off Again』の紹介です。
Henry Gaffneyは、NY生まれのシンガー・ソングライター。無名のミュージシャンだったと思うが、田中康夫氏のデビュー小説『なんとなく、クリスタル』(80年)や、84年の著書『たまらなく、アーベイン』に登場したことで、日本でも知られるようになった。
ソロ・アーティストとして70年代後半に2枚のアルバムを残したあと、作曲活動に専念し、Roberta Flack, The Pointer Sisters, The Four Tops, Judy Collins, Jennifer Warnes, Glen Campbellなどに曲を提供している。この『On Again, Off Again』は、Henry Gaffneyのセカンド・アルバム。
AORのアルバムのジャケットには、Rickie Lee JonesやLarry John McNallyなど、煙草をくゆらす姿を写したものがあるが、かっこ良さではHenry Gaffneyのこのモノクロ・ジャケットが一番。バック・カヴァーには、窓辺で煙草をくゆらす、映画のワン・シーンのような写真が使われている。
音のほうも、このジャケットのように渋い味わい。ほのぼのとした懐かしさと温もりもある、洒落たサウンドだ。
1曲目の「Mack The Knife」は、ドイツの作曲家、Kurt Weill(クルト・ヴァイル)の1928年の曲。イントロのほっこりする口笛から、このアルバムの独特の世界に引き込まれる。ジャジーで落ち着いたサウンドと、Henry Gaffneyのソフトな歌声がとても上品。
残りの曲は全て、Henry Gaffneyのオリジナル。「Mack The Knife」のようなオールドタイミーな雰囲気の渋い曲のほかに、カリプソの「Mannequin」やロックン・ロールの「Breakout」があって、アクセントになっている。「Happy End」は、Judy Collinsの79年のアルバム『Hard Times for Lovers』でカヴァーされた。
「This Is It」は本作のハイライト。Leon Pendarvisの優しいエレピの音色に導かれてHenry Gaffneyがしっとりと歌い始め、中盤ではMichael Breckerのロマンティックなサックスが空を舞い、最後にはRon Carter(b)、Chris Parker(ds)、John Tropea(g)を巻き込んだスリリングなアンサンブルへと展開する。そして、ぷっつり切れるような突然のエンディングも印象的。
76年のファースト・アルバム『Waiting For A Wind』もCDを入手可能。そのジャケットには、映画俳優のように二枚目のHenryが写っている。
- ●収録曲
- Mack The Knife - 3:32
- There's A Train - 3:24
- City Lights - 2:51
- Mannequin - 3:08
- Happy End - 3:15
- This Is It - 4:08
- Breakout - 3:56
- There's No Sound - 3:38
- Lady - 3:45
- On Again Off Again - 3:48
◆プロデュース: Henry Gaffney(vo, ag, k)
◆参加ミュージシャン: John Tropea(g, ar), Joe Caro(g), Leon Pendervis/Pat Rebillot(k), Ron Carter/Will Lee/Neil Jason(b), Chris Parker/Steve Jordan(ds), Michael Brecker(sax), Jimmy Maelen(per), David Freidman(vib), etc
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