White Heart / White Heart (1982年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、White Heartの1982年のアルバム『White Heart』の紹介です。
White Heartは、CCMシーンで活躍したロック・バンド。1982年にナッシュヴィルで結成し、97年に活動を停止するまでの間に11枚ものスタジオ・アルバムを残しており、在籍したメンバーの実力の高さやアンサンブルの良さから、ナッシュヴィルのTOTO、CCM界のTOTOの異名をもつ。この『White Heart』は、彼らのデビュー作。
創設メンバーは、Bill Smiley(k, g), Mark Gersmehl(k), Steve Green(vo), Dann Huff(g), Gary Lunn(b), David Huff(ds, per)の6人で、このうちバンドの解散時まで在籍した中核メンバーは、BillとMarkの2人。
リード・シンガーのSteve Greenは、TOTOのBobby Kimballのようにちょっと湿度のあるハイ・トーンが魅力だが、残念ながらこの1枚でバンドを抜けてしまう。Dann Huffは、多くのアルバムでその名前を目にする名ギタリスト。TOTOのSteve Lukatherのようにリード・ヴォーカルも担当できて、このアルバムでは4曲(1, 3, 7, 8)を担当している。
ドラムスのDavid Huffは、Dann Huffの弟。二人は最初の2, 3枚でバンドを抜け、Alan Pasqua(k)等と4人組のハード・ロック・バンド、Giantを87年に結成している。
ついTOTOと比べてしまうけれど、確かに "らしい" ところはある。例えば、「He's Returning」での見事なキメは、TOTOの『Hydra』収録の「St. George and the Dragon」みたいだし、「Nothing Can Take This Love」のサビを聴くと、TOTOの「Georgy Porgy」を思い出してしまう。
メロディに哀愁を帯びた「Guiding Light」や「Black Is White」などのミディアム系も素敵。「Guiding Light」のDann Huffのギター・ソロは、まるでLukatherのソロを聴いているみたい。また、美しいバラードの「Everyday」では、Dann Huffが女性シンガーのSandi Pattiとデュエットしている。
84年のセカンド・アルバム『Vital Signs』も、ファーストと同じAOR路線(私は未聴)。デジタル・コンテンツを入手できるけれど、私はCD派なので、オンデマンド商品(CD-R)を購入するかどうかを思案中。
- ●収録曲
- Hold On - 3:37
- You're the One - 3:56
- Listen to the Lonely - 3:47
- He's Returning - 4:23
- Carry On - 3:56
- Guiding Light - 3:40
- Everyday - 4:08
- Nothing Can Take This Love - 3:40
- Black Is White - 3:14
- Go Down Ninevah - 4:30
◆プロデュース: Dann Huff(g, vo), Bill Smiley(k, g, vo)
◆参加ミュージシャン: Steve Green(vo), Mark Gersmehl(k, vo), Gary Lunn(b), David Huff(ds, per)
with Sandi Patti(vo), Michael W. Smith(p), Phil Naish(k), Mark Morris(per), Sam Levine(sax), Greg Guidry(bv)
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