Kelly Willard / Willing Heart (1981年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Kelly Willardの1981年のアルバム『Willing Heart』の紹介です。

Kelly WillardはContemporary Christian Music (CCM)シーンで活躍する女性シンガー。清楚でナチュラルな声の持ち主で、Paul ClarkやBruce Hibbard、Roby DukeなどのCCMのアーティストのアルバムにバック・ヴォーカルで参加することが多い。また、シンガー・ソングライターとしてソロ・アルバムも制作しており、これまでに10作ほどがある。この『Willing Heart』は、彼女が25歳になる年に発表されたセカンド・アルバム。
プロデュースは夫のDan Willardとの共同で、収録曲は共作も含めて全て彼女のオリジナル。ギタリストのHadley Hockensmithと3曲(3, 4, 6)、Pita Delamaterと1曲(5)、Bruce Hibbardと1曲(8)を共作している。Hadleyは前の年に結成されたフュージョン・グループのKoinoniaのメンバーで、本作でもギターを弾いている。Koinoniaからは他にも、Harlan Rogers(k), Abraham Laboriel(b), John Phillips(sax)が参加した。
Hadleyと共作した「Comfortable With You」は甘くセンチメンタルな余韻を残すナンバー。Kelly Willardの歌声が美しく切なげで、柔らかいストリングスとJohn Phillipsのムードのあるサックスも絶品。「Hold On」も同じ路線の甘く爽やかなナンバーで、両曲ともBruce Hibbardがバック・ヴォーカルで参加している。
そのBruce Hibbardと共作した「Only You」も美しい。メロディ・ラインが綺麗でしっとりとしており、Kelly Willardの澄み切った歌声に合っている。1つ前の「Jesus」というストレートなCCMソングにも降参。直球すぎるCCMソングはあまり好んで聴かないのだが、この曲のサビの美しいメロディと天使のような歌声に聴き入ってしまう。この曲では、Bruce Hibbardがサブ・ヴォーカルになっている。
"甘美で切ないメロディを天使のような美声の女性シンガーが歌う" アルバムといえば、英国ロック・バンドのAll About Eveの『All About Eve』(88年)や『Scarlet and Other Stories』(89年)もおすすめ。ヴォーカルのJulianne Reganの歌声はKelly Willardにそっくりです。
- ●収録曲
- Willing Heart - 3:36
- To Obey Him - 3:34
- Comfortable With You - 4:59
- Faithful Love - 3:22
- A Million Ways - 3:36
- Hold On - 3:37
- Jesus - 3:25
- Only You - 4:10
- Yesterday's Gone - 3:20
- The Narrow Way - 3:22
◆プロデュース: Dan Willard, Kelly Willard(vo, k)
◆参加ミュージシャン: Hadley Hockensmith(g), Al Perkins(steel-g), Harlan Rogers(k), Abraham Laboriel/Darrell Cook(b), Keith Edwards(ds), Alex MacDougall(per), John Phillips(sax), Bruce Hibbard/Steve Archer/Michele Pillar/Bob Bennett(bv), etc
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