Bob & Pauline Wilson / Somebody Loves You (1981年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Bob & Pauline Wilsonの1981年のアルバム『Somebody Loves You』の紹介です。

Bob & Pauline Wilson / Somebody Loves You (1981年) フロント・カヴァー

Bob & Pauline Wilsonは、BobとPaulineのWilson夫妻によるCCMユニット。二人はハワイを代表するフュージョン・グループ、Seawindのメンバーでもある。BobはSeawindのドラマーを担当しながら、グループのほとんどの曲作りを手がける中心的な存在。奥様のPaulineはSeawindの看板シンガーであり、キュートな美声でエネルギッシュに歌う実力派だ。

『Somebody Loves You』は、このユニットの唯一のアルバム。Seawindの4作目『海鳥』が発売された1980年に録音されており、Jerry Hey(tp)を含むSeawindのメンバー全員が参加。その結果、Seawindのポップ & ファンキーなフュージョン路線を受け継いだ作風になり、"Seawindの5作目" のように聴くことができる。

Seawindとの違いは、割とハードなロック・ナンバーの「You Can't Hide」があること。シャープなカッコいい曲で、Paulineのシャウトが意外にも良く合う。Bobはこの後に、Airplayのリード・シンガーのTommy FunderburkとThe Frontというユニットを組み、メロディアス・ロック路線のアルバム『The Front』を作るが、その布石のような爽快なナンバーだ。

曲のタイトルに "Jesus", "Lord", "Joy"などのCCMらしいフレーズが見られるのも、Seawindのアルバムとの違いかも。

バラード系の2曲、「Joyful Melody」「Lullabye Of Love」ではPaulineが歌で魅せる。キュートな「Joyful Melody」に対して、メロウな「Lullabye Of Love」では囁くように歌っており、魅惑のムードを演出。

青い海とヤシの木をバックに、体を寄せて微笑む二人はラヴラヴな感じだけれど、翌年に離婚してしまう。Seawindも解散するので、"本当の" 5作目は実現しなかったが、そのときに録音されていた素材のうち5曲は、91年に発売されたコンピレーション・アルバム『Remember』に収録されて、日の目を見ている。

●収録曲
  1. I'll Keep My Eyes On Jesus - 3:44
  2. With Love In Your Eyes - 4:32
  3. Joyful Melody - 4:29
  4. Vision: Power And Glory - 1:36
  5. You Can't Hide - 4:18
  6. Somebody Loves You - 4:24
  7. Lullabye Of Love - 4:04
  8. In The Spirit - 4:18
  9. Jesus Is My Lord - 4:12

◆プロデュース: Bob Wilson(ds, k, per, bv)

◆参加ミュージシャン: Pauline Wilson(vo, per), Bud Nuanez(g), Kevin Clark(g, b, bv), Larry Williams(k, sax), Ken Wild(b), Paulinho Da Costa(per), Kim Hutchcroft(sax), Jerry Hey(tp), Edie Lehman/Mark Vieha(bv), etc

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