Bob & Pauline Wilson / Somebody Loves You (1981年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Bob & Pauline Wilsonの1981年のアルバム『Somebody Loves You』の紹介です。

Bob & Pauline Wilsonは、BobとPaulineのWilson夫妻によるCCMユニット。二人はハワイを代表するフュージョン・グループ、Seawindのメンバーでもある。BobはSeawindのドラマーを担当しながら、グループのほとんどの曲作りを手がける中心的な存在。奥様のPaulineはSeawindの看板シンガーであり、キュートな美声でエネルギッシュに歌う実力派だ。
『Somebody Loves You』は、このユニットの唯一のアルバム。Seawindの4作目『海鳥』が発売された1980年に録音されており、Jerry Hey(tp)を含むSeawindのメンバー全員が参加。その結果、Seawindのポップ & ファンキーなフュージョン路線を受け継いだ作風になり、"Seawindの5作目" のように聴くことができる。
Seawindとの違いは、割とハードなロック・ナンバーの「You Can't Hide」があること。シャープなカッコいい曲で、Paulineのシャウトが意外にも良く合う。Bobはこの後に、Airplayのリード・シンガーのTommy FunderburkとThe Frontというユニットを組み、メロディアス・ロック路線のアルバム『The Front』を作るが、その布石のような爽快なナンバーだ。
曲のタイトルに "Jesus", "Lord", "Joy"などのCCMらしいフレーズが見られるのも、Seawindのアルバムとの違いかも。
バラード系の2曲、「Joyful Melody」「Lullabye Of Love」ではPaulineが歌で魅せる。キュートな「Joyful Melody」に対して、メロウな「Lullabye Of Love」では囁くように歌っており、魅惑のムードを演出。
青い海とヤシの木をバックに、体を寄せて微笑む二人はラヴラヴな感じだけれど、翌年に離婚してしまう。Seawindも解散するので、"本当の" 5作目は実現しなかったが、そのときに録音されていた素材のうち5曲は、91年に発売されたコンピレーション・アルバム『Remember』に収録されて、日の目を見ている。
- ●収録曲
- I'll Keep My Eyes On Jesus - 3:44
- With Love In Your Eyes - 4:32
- Joyful Melody - 4:29
- Vision: Power And Glory - 1:36
- You Can't Hide - 4:18
- Somebody Loves You - 4:24
- Lullabye Of Love - 4:04
- In The Spirit - 4:18
- Jesus Is My Lord - 4:12
◆プロデュース: Bob Wilson(ds, k, per, bv)
◆参加ミュージシャン: Pauline Wilson(vo, per), Bud Nuanez(g), Kevin Clark(g, b, bv), Larry Williams(k, sax), Ken Wild(b), Paulinho Da Costa(per), Kim Hutchcroft(sax), Jerry Hey(tp), Edie Lehman/Mark Vieha(bv), etc
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