Pete Carlson / Dreamer’s Dream (1981年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Pete Carlsonの1981年のアルバム『Dreamer's Dream』の紹介です。
Peter Carlsonは、Contemporary Christian Music (CCM)界で活動するシンガー・ソングライター。70年代にはフォーキーでアコースティックなアルバムを制作していたが、80年代に入るとKeith ThomasのプロデュースのもとでAORの作品を2枚発表しており、この『Dreamer's Dream』が1作目となる。
Keith Thomasは、Whitney HoustonやVanessa Williams、Amy Grant、James Ingram、Michael Boltonなどのアルバムを手がけた売れっ子プロデューサー。Keithにとっては、Pete Carlsonのこのアルバムがプロデュースを手がけた2作品目とのこと。KeithはDavid Fosterのフォロワーとして知られており、本作もポップで洗練されたサウンドになっている。
10曲の収録曲の内訳は、Peteと奥様Cindyの共作が6曲(1, 3, 5, 6, 8, 10)、PeteとKeithの共作が3曲(2, 7, 9)、Keithの作品が1曲(4)となっている。タイトルや歌詞にCCMらしい表現があったり、讃美歌タイプのフォーキーな曲(8, 10)もあるが、全体としては洗練されたAOR。Keith Thomasの初期プロデュース作品の中でも傑作とされているようだ。
1曲目の「Let Him Hold Your Heart」は、Dan HuffがJay Graydonのような華やかな音色のギターを弾く爽やかなナンバー。CCMの女性シンガーのSandi Pattiが、82年のアルバム『Lift Up the Lord』でこの曲をカヴァーしている。
メロウな「Run Inside」やポップな「The Love Of God」など、メロディの綺麗なナンバーが多い。温かい曲調は、Peteの穏やかな声質や歌い方に合っている。一方で、「Lead Me In Your Love」はどちらかと言うとクールな印象。イントロの雰囲気や、フュージョン・タッチの曲構成がPagesみたいで、演奏も洗練している。
続く84年のアルバム『Child Of The Heavenly』もKeith Thomasのプロデュースで、本作と同じAOR路線。両アルバムとも2001年に中田利樹氏のCool Soundから世界初CD化されているが、今は廃盤。デジタル・コンテンツならば Amazon で視聴できる。
- ●収録曲
- Let Him Hold Your Heart - 3:35
- Run Inside - 3:29
- Dreamer's Dream - 3:45
- The Love Of God - 3:28
- Warm Fire In A Cold World - 4:15
- Take Me Away - 3:37
- Lead Me In Your Love - 3:07
- What A Friend - 3:49
- Lord Of The Universe - 2:22
- Thanksong - 3:30
◆プロデュース: Keith Thomas(k, bv)
◆参加ミュージシャン: Dann Huff/Jon Goin/Brent Rowan(g), Bob Wray(b), Mark Hummond(ds, per), Terry McMillan/Farrell Morris(per), Dennis Solee(sax), Melodie Tunney(bv), etc
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