Dave Raynor / Rain Or Shine (1980年) – アルバム・レビュー

2019年12月14日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Dave Raynorの1980年のアルバム『Rain Or Shine』の紹介です。

Dave Raynor / Rain Or Shine (1980年) フロント・カヴァー

Dave Raynor(レイナー)はギタリストやソングライターとしてアメリカで活動するミュージシャン。自分のアルバム制作はこの『Rain Or Shine』のみだが、ソングライターとしてDeniece Williamsに曲を提供したり、ギタリストとしてBill Medley(The Righteous Brothers)やAndy Williamsをサポートしたり、自分の会社のDave Raynor Productionsを運営したりと、多方面に活動している。

本作でもプロデュースを自ら手がけ、ヴォーカルのほかに多くの楽器を操るというマルチな才能を発揮。収録曲は8曲とコンパクトだが、ポップで明快なメロディを持った爽やかなナンバーが多く、さっぱりとギターを弾きながら、温もりのある声で伸び伸びと歌っている。

ポップな「I Can't Take It」は、軽快なピアノのリフや曲全体の雰囲気がRoger Voudourisの79年のアルバム『Radio Dream』に収録されたヒット曲「Get Used to It / 僕の想い入れ」とそっくり。続く「You've Got It」も、同じ路線のフレッシュなAORナンバーだ。

ラストの「Little Ones」は、子供たちの愛らしいジングル・ベルの歌声で始まるドリーミーなナンバー。ハーモニカの音色も優しくて、癒される。よくあるクリスマス・ソングみたいな演出はないけれど、今の季節に合う素敵な曲。

ギタリストのクレジットに名前のあるFrank Butoracは、82年のAORアルバム『潮風のバラード』で人気のあるFrankie Bleuの本名。また、後にBoy Meets Girlを結成するGeorge Merrillもシンセで参加している。

なお、Dave RaynorがDeniece Williamsに曲を提供したアルバムは、89年の『Special Love』。3曲を提供しており、このうちDenieceがNatalie Coleと歌った「We Sing Praises」は、90年のグラミー賞で「Best R&B Performance by a Duo or Group」にノミネートされている。

●収録曲
  1. The Way It Used To Be - 3:38
  2. Leave Me Alone Tonight - 4:08
  3. Stay Here Tonight - 4:52
  4. Rain Or Shine - 3:41
  5. Slip Away Tonight - 3:35
  6. I Can't Take It - 4:06
  7. You've Got It - 4:16
  8. Little Ones - 3:20

◆プロデュース: Dave Raynor(vo, g, k, b, ds, Harmonica)

◆参加ミュージシャン: Frank Butorac/Terry Lauber(g), Gary Ruhl(b), Stacy Christenson(k, bv), Kenny Day(k), George Merrill(sy), Michael Kinder(ds), Michael Spiro(per), etc

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