Ray Kennedy / Ray Kennedy (ロンリー・ガイ) (1980年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Ray Kennedyの1980年のアルバム『Ray Kennedy / ロンリー・ガイ』の紹介です。

Ray Kennedy / Ray Kennedy (ロンリー・ガイ) (1980年) フロント・カヴァー

Ray KennedyはLAを拠点にシンガーやソングライターとして活動したアメリカのミュージシャン。60年代から様々なミュージシャンと接点があり、ソングライターとして多くの曲を提供してきた。

シンガーとしては、Barry Goldberg, Mike Bloomfield等と組んだロック・バンドのKGB(バンド名は、3人の頭文字をとった)での活動が知られており、1976年にアルバムを2枚残している。Michael Schenker Groupのリード・ヴォーカルを担当したこともあり、84年には来日して西部球場のステージで歌った。

ソングライターとしては、例えばBeach Boysの73年のアルバム『Holland』に収録された「Sail On, Sailor」をBrian Wilsonと共作。同年のBeck Bogert & Appiceのアルバム『Beck Bogert & Appice』の収録曲「Why Should I Care」もRay Kennedyが書いている。また、The Babysの77年のアルバム『Broken Heart』からのヒット曲「Isn't It Time」や、79年の『Head First』からのヒット曲「Every Time I Think of You」は、Ray KennedyとJack Conradの共作。共にBillboard Hot 100チャートの13位をマークした。

ソロ・アルバムは2枚あり、本作がセカンド・アルバム。David Fosterがプロデュースを担当し、Steve Lukather(g)やJeff Porcaro(ds)などのTOTOの面々や、Bill Champlin/Tommy Funderburk/Tom Kellyという強力なシンガーが参加したことにより、メリハリの効いたエネルギッシュなサウンドになっている。特に、熱くエネルギーを放出するLukatherのギターには、TOTOのアルバムでのプレイに勝るとも劣らぬ魅力がある。

収録曲は全てRay Kennedyのオリジナル(全て共作)で、「Isn't It Time?」と「Sail On Sailor」もリメイクされた。哀しい歌が一曲もなく、瑣末なものを吹き飛ばすような豪快さと男気がある。「Just for the Moment」や「My Everlasting Love」などのバラードも絶品。Ray Kennedyの歌声はソウルフルで熱く、雄大で包容力があり、聴く者を誇らしい気分にしてくれる。

「My Everlasting Love」は、Bill Champlinの翌年のアルバム『Runaway』において、「Tonight, Tonight」という名前でカヴァーされた。また、「You Oughta Know by Now / ロンリー・ガイ」は八神純子の80年のヒット曲「パープル・タウン」の原曲として知られており、聴き比べると面白い。

艶っぽいジャケットはMoshe Brakhaによる撮影。Boz Scaggsの名盤『Silk Degrees』のジャケットを撮った写真家だ。

Ray Kennedyは2014年の2月に68歳で他界。私の "everlasting singer" である。

●収録曲
  1. It Never Crossed My Mind / 閉ざされた心 - 3:32
  2. Isn't It Time? - 3:57
  3. Just for the Moment - 3:22
  4. Can't Seem to Find the Time / 恋のラスト・ページ - 4:16
  5. My Everlasting Love - 3:56
  6. You Oughta Know by Now / ロンリー・ガイ - 4:31
  7. Sail On Sailor - 3:24
  8. Starlight - 4:32
  9. Let Me Sing You a Love Letter / 涙で綴るラヴ・レター - 4:00

◆プロデュース: David Foster(k, ar)

◆参加ミュージシャン: Steve Lukather(g), Jack Conrad(k, bv), Jai Winding(k), Steve Porcaro(sy), Mike Porcaro/Bob Glaub/Kim Kesterson(b), Jeff Porcaro/Mike Baird/Rick Shlosser(ds), Jerry Hey(horn ar), Bill Myers(string ar), Bill Champlin/Tommy Funderburk/Tom Kelly(bv), etc

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