Marty McCall & Fireworks / Up (1981年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Marty McCall & Fireworksの1981年のアルバム『Up』の紹介です。

Marty McCall & Fireworks / Up (1981年) フロント・カヴァー

Marty McCallはContemporary Christian Music (CCM)シーンで活動を続けるブルー・アイド・ソウル・シンガー。70年代の後半にFireworksというグループでデビューし、1977年と79年にスタジオ・アルバムを1枚ずつ、80年にライヴ・アルバムを出し、この『Up』が4作目となる。

ただし、本作の正式な名義はMarty McCall & Fireworksとなっており、Fireworksのアルバムというよりは、Marty McCallのソロ・アルバム的な位置づけ。収録された10曲のうち、Fireworksのメンバーとの共作は2曲(7, 10)のみで、残りについては、Martyが3曲(3-5)、外部のライターが5曲(1-2, 6, 8-9)を書いている。

外部のライターの曲のうち、メロウで爽やかな「Can't Stop Running」はBruce Hibbardの作。この曲は、Roby Dukeの82年のデビュー・アルバム『Not The Same』でも歌われている。

クールで都会的な「Unless God Builds Your House」は、Martyと同じくCCMシーンで活躍するブルー・アイド・ソウル・シンガーのRick Risoの作。イントロの雰囲気やホーンの使い方がSteely Danの作る曲みたいにクール。「Home At Last」のような、「I Got The News」のような…。

Michael McDonald作法の軽快なピアノのリフで始まる「Givin' It Up」は、そのRick Risoの在籍したMessengerというグループのキーボード奏者、Si Simonson等の作。続く「Let Me Be The One」も、なかなか渋いメロディのAORナンバーだ。

歌詞や曲のタイトルにCCM色が表れているけれど、ポップなメロディとMartyのソウル・フィーリングのある歌の魅力がそれをあまり意識させない。

Fireworksとしては、翌82年の『Sightseeing At Night』がラスト・アルバムになった。Marty McCallはその後、二人の女性シンガーと85年にFirst Callを結成し、息の長い活動を続行中。First Callのアルバムでは、Michael Omartianのプロデュースした92年のアルバム『Human Song』が人気作になっている。

●収録曲
  1. Givin' It Up - 3:00
  2. Let Me Be The One - 3:58
  3. Legal Now - 2:45
  4. Adam - 3:54
  5. Cleanin' Up Our Act - 3:02
  6. Can't Stop Running - 3:29
  7. Frontrunner - 3:47
  8. Maybe I'll Trust You Now - 3:54
  9. Unless God Builds Your House - 3:07
  10. Thanks To You - 4:55

◆プロデュース: Fletch Wiley(k, horn)

◆参加ミュージシャン: Jon Goin/Jerry McPherson(g), Shane Keister(k), David Hungate(b), Mark Hammnod(ds), Russell Dunlop(per), Bill Tillman(sax), etc

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