Bryan Duncan / Anonymous Confessions Of A Lunatic Friend (1990年) – アルバム・レビュー

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Bryan Duncanの1990年のアルバム『Anonymous Confessions Of A Lunatic Friend』の紹介です。

Bryan Duncan / Anonymous Confessions Of A Lunatic Friend (1990年) フロント・カヴァー

Bryan DuncanはSweet Comfort Bandの中心メンバー。Sweet Comfort BandはCCMシーンを代表するロック・バンドの一つで、1974年に4人組で結成し、84年に解散するまでの間に6枚のアルバムを発表している。Bryan Duncanはそこでキーボードとリード・ヴォーカルを担当し、曲もほとんどを書いている。

Bryanは、Bill ChamplinやGino Vannelliなどと肩を並べる卓越した歌唱力の持ち主。ソウルフルでパンチのある声を駆使して、センチメンタルなバラードも、ビートの効いた曲も、自在に歌う。Sweet Comfort Bandの解散後はコンスタントにソロ・アルバムを制作し、この『Anonymous Confessions Of A Lunatic Friend』は5作目。作者の詳細なクレジットが分からないが、たぶん全曲をBryanが書いている。

Bryanの歌唱力は、Sweet Comfort Bandの頃よりひと回りレベル・アップしたようだ。貫禄もついて、聴きごたえたっぷり。タイトル曲の「Lunatic Friend」では、Pink FloydのRoger Watersのようにルナティックに笑い、ファンキーな「Puttin' In The Good Word」のイントロではJames Brownのようにシャウト。「Mr. Bailey's Daughter」ではラッパー顔負けのキレのある "しゃべり" を披露している。

バラード系の歌唱も素晴らしい。ミディアム・スローの「Leave Your Light On」では哀愁をしっとり漂わせ、ラストの「I Love You With My Life」では甘くロマンティックに歌う。この曲は、Sweet Comfort Bandの78年のアルバム『Breakin' The Ice』の収録曲のリメイクで、Bryanお気に入りの一曲。当時よりもリラックスした感じで、歌っているBryanも気持ちよさそう。

TOTOのJeff Porcaroが全曲でドラムスを担当しているところもポイント。Jeffの抜群のグルーヴ感覚と、Bryanの快活な歌い回しの相性はバッチリ。92年の次作『Mercy』も、Bryanの歌をたっぷり味わえるハイ・クオリティなアルバムで、おすすめです。

●収録曲
  1. Sunday Go To Meetin' - 4:23
  2. Ain't No Stoppin' Now - 4:05
  3. Leave Your Light On (Hopeless Moon) - 4:28
  4. We All Need - 3:27
  5. Lunatic Friend - 4:24
  6. All Is Forgiven - 4:21
  7. Puttin' In The Good Word - 4:23
  8. Walkin' - 4:12
  9. Mr. Bailey's Daughter - 4:03
  10. Blessed Are The Tears - 4:30
  11. I Love You With My Life - 4:40

◆プロデュース: Dan Postuma(per)

◆参加ミュージシャン: Tim Pierce/Michael Hodges/Dan Lee(g), Michael Omartian/Alan Pasqua/Peter Wolf/John Van Tongeren/Randy Kerber/Jerry Peters(k), Nathan East/John Pierce(b), Jeff Porcaro(ds, per), Dave Boruff/Larry Williams(sax), Jerry Hey(tp), Chuck Barth(prog), Bob Carlisle/Alphie Silas(bv), etc

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