Glenn Medeiros / Glenn Medeiros (1987年) – アルバム・レビュー

2023年5月5日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Glenn Medeirosの1987年のアルバム『Glenn Medeiros / 変わらぬ想い』の紹介です。

Glenn Medeiros / Glenn Medeiros (1987年) フロント・カヴァー

Glenn Medeiros(メディロス)はハワイのカウアイ島生まれのシンガー。このアルバムは、Glennが17歳になる年に発売されたデビュー盤。ここから、バラードの「Nothing's Gonna Change My Love for You / 変わらぬ想い」が全米チャートの12位となるヒットを記録し、甘いマスクのGlennはアイドル的な人気を獲得した。

1987年は、Tiffanyの「I Think We're Alone Now / ふたりの世界」や「Could've Been / 思い出に抱かれて」(ともに米1位)、Debbie Gibsonの「Only in My Dreams」「Shake Your Love」(ともに米4位)など、10代アイドル・シンガーのヒットが続いた年。そんな中で、Glennは少し背伸びをしてAORを歌っており、若者だけでなく年上の層へもアピールしている。

「変わらぬ想い」は、結婚式の洋楽BGMにも使われる甘いメロディが魅力。George Bensonの85年のアルバム『20/20』の収録曲のカヴァーで、40代のGeorge Bensonの包容力たっぷりな歌声と比べると、Glennの歌声はとても爽やか。

アルバムには他にもロマンティックなバラードが多く収録されている。「Lonely Won't Leave Me Alone」は、David Foster, Jermaine Jackson, Tom Keaneという豪華な顔ぶれによる書き下ろし。「The Wings of My Heart」は、James Ingramの86年のアルバム『Never Felt So Good』からのカヴァー。Paul Gordonが提供した「Watching Over You」や、Richard Kerrが書いた「A Fool's Affair」もいい。

ラストの「Knocking at Your Door」では、Leeza Millerとの甘いデュエットも披露。Leeza Millerは、Sergio Mendesの83年のヒット曲「Never Gonna Let You Go」(米4位)をJoe Pizzuloとデュエットしたキュートな歌声のシンガー。Glennとデュエットした時は、彼よりもずっと年上だと思う。たぶん。

この後もコンスタントにアルバムを制作し、デビュー作と同じタイトルのサード・アルバム『Glenn Medeiros』(90年)からは、Bobby Brownと歌った「She Ain't Worth It」が念願の全米1位を獲得。その後はハワイに戻って、今は何と、Saint Louis Schoolの校長に就任している。

●収録曲
  1. Nothing's Gonna Change My Love for You / 変わらぬ想い - 3:52
  2. Lonely Won't Leave Me Alone - 4:26
  3. The Wings of My Heart - 3:31
  4. A Stranger Tonight - 4:46
  5. Watching Over You - 4:11
  6. What's It Gonna Take - 3:33
  7. A Fool's Affair - 3:48
  8. You Left the Loneliest Heart / さよならロンリー・ハート - 3:55
  9. Knocking at Your Door / 二人の扉 - 4:01

◆プロデュース: Jay Stone(ar)

◆参加ミュージシャン: Jeff Gilhart(g), Tom Keane(k, ar), Jay Gruska(k, prog, ar), John Pierce(b), John Keane(ds), David Boruff(sax, prog), Leaza Miller(vo), John Ryan(ar), etc

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