Jay Gruska / Which One Of Us Is Me (1984年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Jay Gruskaの1984年のアルバム『Which One Of Us Is Me / カフェ・グルスカ』の紹介です。

Jay Gruska / Which One Of Us Is Me (1984年) フロント・カヴァー

Jay Gruskaは作曲家やプロデューサーとして活躍するNY生まれのミュージシャン。AORの人気グループであるMaxusの中心人物として知られており、1981年のアルバム『Maxus / デビュー!!』ではリード・シンガーとソングライターを務めた。

プロデューサーとしては、Joseph Williamsの『Joseph Williams』(82年)やAlan Gorrieの『Sleepless Nights』(85年)、Brett Raymondの『Only Love』(86年)などのAORの名盤を手がけ、コンポーザーとしては、TVドラマの音楽を数多く手がけるなど、マルチな才能を発揮している。

ソロ・アルバムは74年と84年に1枚ずつを残しており、本作はセカンド・アルバム。プログラミングを取り入れた「Desperate Eyes / 危険なまなざし」や「The Motion」のようなポップな曲に80年代を感じるが、華美にならずに上品にアレンジしている。

一方、「Take A Number」や「Famous」のような生楽器主体のロック・ナンバーではMaxusやTOTOを思わせる分厚いサウンドを構築。Michael LandauやSteve Lukatherのギターも爽快だ。

全曲がJay Gruskaのオリジナルで、そのほとんどは共作。共作者は、Brock Walsh(1)、Michael Landau(2)、Paul Gordon(4-6, 9)、Joseph Williams(7)等となっている。「Tattoo」のような独特の緊張感のあるメロディはJay Gruskaならではで、クセのあるハイ・トーン・ヴォイスもクールな味わい。

トロピカルな雰囲気に包まれた「Cancun」は異色だが、とても爽やかなメロディだ。ラストはドリーミーなインスト曲「Baby Theme」で締めくくり、TVドラマの作曲家としての一面を見せている。

このアルバムのCDは、ワーナーの「AOR BEST SELECTION 1300」シリーズから2016年10月に再発された。Maxusの名作『Maxus / デビュー!!』も同時に再発されており、併せてお薦め。

●収録曲
  1. Desperate Eyes / 危険なまなざし - 4:34
  2. Atlanta Calling - 3:19
  3. Tattoo - 4:17
  4. The Motion - 4:25
  5. Cancun - 3:41
  6. Which One Of Us Is Me / もう一人の僕に - 3:25
  7. Take A Number - 3:17
  8. Famous - 4:00
  9. Circus - 3:33
  10. Baby Theme / ベイビーのテーマ - 2:48

◆プロデュース: Jay Gruska(vo, sy, drum prog, ar)

◆参加ミュージシャン: Steve Lukather/Michael Landau(g), Tony Berg(g, ar), Randy Kerber(k, ar), Michael Omartian(sy, ar), Nathan East/Mike Porcaro/Abraham Laboriel/Neal Stubenhaus/John Pierce(b), John Robinson/Carlos Vega/Doane Perry/Vinnie Colaiuta(ds), Mike Fisher(per), Joseph Williams/Jermaine Jackson/Brock Walsh/Paul Gordon(bv), Jeremy Lubbock(strings ar), etc

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