Jack Wagner / All I Need (1984年) – アルバム・レビュー

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Jack Wagnerの1984年のアルバム『All I Need』の紹介です。

Jack Wagner / All I Need (1984年) フロント・カヴァー

Jack Wagnerはアメリカの人気TVドラマ『General Hospital』のFrisco Jones役で知られるようになった俳優。シンガーとしても6枚のアルバムをこれまでにリリースしており、本作はデビュー・アルバム。人気俳優だけに、ブルー系の綺麗なジャケットに写る横顔のポーズも慣れた感じ。

このアルバムのプロデュースを担当したのは、Quincy Jones配下のソングライターであるGlen BallardとClif Magness。二人は共作を含めて10曲中の6曲を書いており、Magnessはギターとバック・ヴォーカルも担当した。共作者は、Tom Keane(1)、David Pack(5)、David Foster/Jay Graydon(10)等が務めている。

Jack Wagnerは歌がうまく、PVではギターを手にしながら歌っている。Wagnerの魅力を引き出すべく、「Fighting The Nights」のような軽快なロック・チューンから「All I Need」のようなロマンティックなバラードまでバランス良く選曲されており、どの曲もフレッシュ。80年代の洋楽に特有のキラキラしたサウンドも懐かしい。

甘いバラードの「All I Need」はファースト・シングルとなり、Billboard Hot 100チャートの2位となる大ヒットを記録した。AmbrosiaのDavid Packが曲作りに加わっており、爽やかな甘さのあるメロディは優れたバラード・メイカーのDavid Packならでは。キャッチーなサビは一度聴いたら忘れない。

「Whenever Hearts Collide」「After The Fact」「Lady Of My Heart」などのスロー~ミディアム系では、ビター&スウィートの按配がとてもいい。ロマンティックな「Lady Of My Heart」はFoster/Graydon/Ballardの共作で、ドラマの中ではFrisco Jonesとその相手役であるFelicia Cummingsの愛のテーマとして使われた。

ドラマではFriscoとFeliciaは結婚に至るが、演じた二人(Jack WagnerとKristina Malandro)も93年に本当に結婚し、2006年まで結婚生活を送っている。80年代って何だかいいな、と思えるスウィートなアルバムだ。

●収録曲
  1. Premonition
  2. What You Don't Know
  3. Whenever Hearts Collide
  4. Fighting The Nights
  5. All I Need
  6. Make Me Believe It
  7. Sneak Attack
  8. After The Fact
  9. Tell Him (That You Won't Go)
  10. Lady Of My Heart

◆プロデュース: Glen Ballard(ar), Clif Magnes(g, bv, ar)

◆参加ミュージシャン: Michael Thompson(g), Tom Keane/John Van Tongeren/Bill Elliott(k), Dave Faragher(b), Pat Mastelotto(ds), Jerry Peterson(sax), Siedah Garrett/Edie Lehman/Rosemary Butler/Debbie Pearl(bv), etc

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