Brett Raymond / Only Love (1986年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Brett Raymondの1986年のアルバム『Only Love』の紹介です。
Brett Raymondは、アメリカのシンガー・ソングライター。1982年にSouvenirというグループのメンバーとして音楽活動をスタートするも、2枚のシングルを出してグループは解散し、その後は日本に活動の拠点を移して、テレビCMの作曲などを手がけていた。この『Only Love』は、日本のSixty Recordsと契約して制作したデビュー・アルバム。日本やアジア地域限定でリリースされている。
日本主導の制作だが、Maxusの中心人物のJay GruskaがBrettと共同でプロデュースを担当しており、バック・ミュージシャンも、Steve Lukather/Michael Landau(g), Randy Waldman(k), Michael Porcaro(b), Michael Fisher(per), Joseph Williams(bv)など、LAの実力派が参加している。
曲作りでは、Brettがすべての作曲を手がけ、作詞に関してはRon Broughと分担した。ミディアム・スローのナンバーを中心に、メロティの良さをじっくり聴かせるタイプの曲が多い。
Brettは28歳だが、どこか枯れたオーラがあって、ロマンティック。少しハスキーで陰のある歌声も、憂いのある曲調に合っている。「Only Love」や「Send It To Me」、「Some Change Around Here」などの甘いバラードも魅力で、Bobby Caldwellのアルバム『Heart Of Mine』(89年)みたいな素敵な雰囲気を纏っている。
Steve Lukatherが2曲(1, 7)、Michael Landauが2曲(3, 8)でギター・ソロを分け合っているが、曲の雰囲気に合わせて、演奏はいつもより控えめかも。
2012年にヴィヴィド・サウンドからCDがリイシューされた際には、Brettの歌声をフィーチャしたお洒落な2曲がボーナス・トラックとして追加された。Brett Raymondのサイト を見ると、本作以降も7枚ほどのアルバムを制作しているようだ。
- ●収録曲
- Walk Into Love - 4:34
- What About You (And Me) - 4:06
- Only Love - 4:27
- It's Not Like The Movies - 4:23
- Send It To Me - 3:20
- When You Say You Love Me - 4:47
- Please Don't Look At Me That Way - 4:08
- We Just Can't - 4:53
- Some Chances Around Here - 5:23
- Oh, What Do You Do In The Summertime? (Bonus Track)
- In The Leafty Treetops (Bonus Track)
◆プロデュース: Jay Gruska(k, program, bv), Brett Raymond(vo, k)
◆参加ミュージシャン: Steve Lukather/Michael Landau(g), Randy Waldman(k), Michael Porcaro(b), John Keane(cymbals), Michael Fisher(per), Steve Tavaglione(sax), Joseph Williams/James House(bv), etc
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