James Walsh Gypsy Band / James Walsh Gypsy Band (1978年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、James Walsh Gypsy Bandの1978年のアルバム『James Walsh Gypsy Band』の紹介です。

James Walsh Gypsy Band / James Walsh Gypsy Band (1978年) フロント・カヴァー

James Walsh Gypsy Bandは、キーボード兼リード・ヴォーカル担当のJames Walsh率いる8人組。70年代前半に活動した「Gypsy」というバンドがその前身で、ロック、ジャズ、ソウル、ブルースなどをミックスした先鋭的な音楽をやっていた。Gypsyは4枚のアルバムを残して75年に解散している。

James Walsh Gypsy Bandは、"3年後に再スタートしたGypsy" のようでもあるが、かつてのメンバーはJames Walshのみ。ファースト・アルバムとなる本作は、風通しのいいブルー・アイド・ソウルといった趣きの洗練されたサウンドになっている。

全曲が彼らのオリジナルで、「Love Is For The Best In Us」を除いてJamesが全ての曲作りに関わった。ソフト & メロウな「Love Is For The Best In Us」、グルーヴィーで爽やかな「Cuz It's You, Girl」、美しいアコースティック・バラードの「You」、鳥たちのさえずりが聴こえるリゾート・ナンバーの「Lookin' Up I See」など、気持ちのいい曲が多い。

一方で、ハードなギターとコーラスで始まる「You Make Me Feel Like Livin'」や、神秘的なピアノのイントロから次第にスリリングな演奏へと変化していく「Gray Tears」、プログレッシヴなインスト曲の「My Star」には、かつてのGypsyの面影も。また、彼らはホーン・セクションを擁しており、曲の随所にホーンが絡んでくるあたりは70年代のChicagoみたい。

アルバムのジャケットにはジプシーの女性がデザインされているが、これはGypsyのファースト・アルバム『Gypsy』にデザインされていたもの(下の画像)とほぼ同じ。

Gypsy / Gypsy フロント・カヴァー

James Walsh Gypsy Bandには未発表になっていた幻のセカンド・アルバム『Muscle Shoals 1979』があって、2016年8月にPヴァイン・レコードから、『I've Got The Feelin'』というタイトルで世界初CD化された。また、Gypsyは96年に活動を再開したようで、James Walshも在籍中。詳細は彼らのサイトで確認できる。

●収録曲
  1. You Make Me Feel Like Livin' - 3:12
  2. Love Is For The Best In Us - 3:24
  3. Bring Yourself Around - 3:59
  4. Don't Look Back - 3:44
  5. Cuz It's You, Girl - 3:59
  6. You - 4:07
  7. Gray Tears - 5:17
  8. My Star - 1:58
  9. Whole Lotta Givin' To Do - 3:35
  10. Lookin' Up I See - 5:21
  11. Someday - 3:20

◆プロデュース: James Walsh(lead vo, k)

◆参加ミュージシャン: Bob Jones(lead vo, g, k), Jim Behringer(g, vo), Scott Fronsoe(b, vo), Ernie LaViolette(ds, per), Richard Jorgensen/Deone Johnson(tp, flugelhorn, vo), Todd Hansen(tb, vo)

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