Peter Cupples / Half The Effort Twice The Effect (1984年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Peter Cupplesの1984年のアルバム『Half The Effort Twice The Effect』の紹介です。

Peter Cupples / Half The Effort Twice The Effect (1984年) フロント・カヴァー

Peter Cupplesは、オーストラリアのブルー・アイド・ソウル・グループであるStylus(スタイラス)のリード・ヴォーカリスト。曲作りやアルバムのプロデュースも手がける中心メンバーである。

Stylusは70年代後半に4枚のアルバムを発表した後に一度解散し、2001年に再結成している。グループの解散中にPeterはソロ・アルバムを制作しており、この『Half The Effort Twice The Effect』(半分の努力で成果は2倍!)は2作目。80年代らしいメロディアスなポップ・ロック中心のアルバムで、曲の詳細なクレジットは分からないが、多くはPeterの作だと思う。

他作の曲もなかなか渋い。「Let Me Crawl」はWilson Brothersの提供曲で、哀愁味のあるメロディとキャッチ-なサビがWilson兄弟らしい感じ。「Never Mind」は、Maxusのアルバム『Maxus / デビュー !!』(81年)に収録された「Nobody's Business」のアレンジ。また,ポップな「Do You Still Remember Me」は、Leslie Smithのアルバム『Heartache』(82年)にBrock Walshが提供した曲だ。

AORテイストの渋いナンバーの「Love Of Another World」やブルージーな味わいの「In The Pitts」、ドリーミーなバラード曲の「Sitting Here」もいい。Stylusのアルバムでもそうだが、Peterはかなり "歌える" シンガーで、どんなタイプの曲でも器用に歌いこなす。

Boz Scaggsの『Silk Degrees』に参加したギタリストのLouie Sheltonがプロデュースを担当していて、ギターの音が割と目立つサウンドになっているのも特徴。

Peter Cupplesのファースト・アルバム『Fear Of Thunder』は2005年に、本作は2006年にCD化された。2012年には2CDのコンピレーション『So Far So Good - the Best of Peter Cupples』も発売されていたが、気付いたときには入手困難になっており、残念…。

●収録曲
  1. Don't You Leave Me Now - 4:15
  2. Let Me Crawl - 3:06
  3. Love Of Another World - 2:58
  4. Just Can't Live - 3:31
  5. Never Mind - 3:32
  6. Party Lights - 3:38
  7. In The Pitts - 3:36
  8. Sitting Here - 3:52
  9. Do You Still Remember Me - 3:58
  10. On The Run - 4:13

◆プロデュース: Louie Shelton(g)

◆参加ミュージシャン: Ross Inglis(g, bv), David Hirschfelder(k), Brian Hamilton(b), Virgil Donati(ds, per)
with Mike Fisher(per), Jerry Hey(tp, horn ar), Chuck Findley(tp), Larry Williams/Dan Higgins(sax), Bill Reichenbach(tb), etc

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