Peter Cupples / Half The Effort Twice The Effect (1984年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Peter Cupplesの1984年のアルバム『Half The Effort Twice The Effect』の紹介です。

Peter Cupplesは、オーストラリアのブルー・アイド・ソウル・グループであるStylus(スタイラス)のリード・ヴォーカリスト。曲作りやアルバムのプロデュースも手がける中心メンバーである。
Stylusは70年代後半に4枚のアルバムを発表した後に一度解散し、2001年に再結成している。グループの解散中にPeterはソロ・アルバムを制作しており、この『Half The Effort Twice The Effect』(半分の努力で成果は2倍!)は2作目。80年代らしいメロディアスなポップ・ロック中心のアルバムで、曲の詳細なクレジットは分からないが、多くはPeterの作だと思う。
他作の曲もなかなか渋い。「Let Me Crawl」はWilson Brothersの提供曲で、哀愁味のあるメロディとキャッチ-なサビがWilson兄弟らしい感じ。「Never Mind」は、Maxusのアルバム『Maxus / デビュー !!』(81年)に収録された「Nobody's Business」のアレンジ。また,ポップな「Do You Still Remember Me」は、Leslie Smithのアルバム『Heartache』(82年)にBrock Walshが提供した曲だ。
AORテイストの渋いナンバーの「Love Of Another World」やブルージーな味わいの「In The Pitts」、ドリーミーなバラード曲の「Sitting Here」もいい。Stylusのアルバムでもそうだが、Peterはかなり "歌える" シンガーで、どんなタイプの曲でも器用に歌いこなす。
Boz Scaggsの『Silk Degrees』に参加したギタリストのLouie Sheltonがプロデュースを担当していて、ギターの音が割と目立つサウンドになっているのも特徴。
Peter Cupplesのファースト・アルバム『Fear Of Thunder』は2005年に、本作は2006年にCD化された。2012年には2CDのコンピレーション『So Far So Good - the Best of Peter Cupples』も発売されていたが、気付いたときには入手困難になっており、残念…。
- ●収録曲
- Don't You Leave Me Now - 4:15
- Let Me Crawl - 3:06
- Love Of Another World - 2:58
- Just Can't Live - 3:31
- Never Mind - 3:32
- Party Lights - 3:38
- In The Pitts - 3:36
- Sitting Here - 3:52
- Do You Still Remember Me - 3:58
- On The Run - 4:13
◆プロデュース: Louie Shelton(g)
◆参加ミュージシャン: Ross Inglis(g, bv), David Hirschfelder(k), Brian Hamilton(b), Virgil Donati(ds, per)
with Mike Fisher(per), Jerry Hey(tp, horn ar), Chuck Findley(tp), Larry Williams/Dan Higgins(sax), Bill Reichenbach(tb), etc
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