Michael Gonzales / Mountaintop (1983年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Michael Gonzalesの1983年のアルバム『Mountaintop』の紹介です。

Michael Gonzales / Mountaintop (1983年) フロント・カヴァー

Michael Gonzalesは、Contemporary Christian Music (CCM)のシンガー・ソングライター。1980年と83年にCCMのアルバムを1枚ずつ発表しており、この『Mountaintop』は2作目にあたる。

LAの売れっ子の作曲家/プロデューサー/アレンジャーであるDavid Diggsがプロデュースを担当しており、上品で清潔感のあるサウンドになっている。綺麗に磨かれて整えられたサウンドの印象は、Roby Dukeのアルバムに近い。

「Thank You Jesus」「Father」「I Praise You」「Let Your Light Shine」「Heaven's Home」など、ストレートなCCMタイトルの曲が多いが、楽曲自体はメロウで爽やかなAOR。また、Wayne Brasel(g), John Patitucci(b), John Ferraro(ds)等、フュージョン系の達人ミュージシャンによる演奏には安定感があり、とても洗練している。

曲作りにおいては、Michaelが6曲を書き、残り(1, 2, 4, 8)をBill ChamplinやKeith Thomas等が提供。その中でも、Keith Thomas - Howard McCrary作の「Let It Go」、Michael作の「Come Home」、Keith Thomas - Gary Chapman作の「I Wanna Be Loved By You」の3曲がおすすめで、とても気持ちいい。

バック・ヴォーカリストが充実しており、Bill & TamaraのChamplin夫妻のほかに、Richard Pageの実弟であるDavid Page、そしてRoby Dukeも参加している。Michael Gonzalezの歌声はハートフルでジェントル。Bill Champlinをもっと爽やかにしたような感じかな。

ジャケットにざっくりと描かれた山のイラストと、なぜか縦書きの "Mountaintop" の文字は、浮世絵の掛け軸みたいで面白い。

このアルバムは、中田利樹氏のCool Soundからファースト・アルバム『Fire In My Soul』との2 in 1で世界初CD化されているが今や入手困難。1作目もCCM色が強いが、Bill Champlinの78年のソロ・デビュー作『独身貴族』から「Love Is Forever」をカヴァーするなど、AORとして楽しめる。

●収録曲
  1. Thank You Jesus
  2. Let It Go
  3. Father
  4. I Praise You
  5. Come Home
  6. Mountaintop
  7. Waiting For Love
  8. I Wanna Be Loved By You
  9. Let Your Light Shine
  10. Heaven's Home

◆プロデュース: David Diggs(ar, k, per), Michael Gonzales(vo, ar, k, per)

◆参加ミュージシャン: Wayne Brasel(g), Rob Watson(k), John Patitucci(b), John Ferraro(ds), Terry Winch/Pete Claproth(per), Bill & Tamara Champlin/David Page/Roby Duke(bv)

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