Googie And Tom Coppola / Shine The Light Of Love (1980年) – アルバム・レビュー

2023年5月5日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Googie And Tom Coppola(コッポラ)の1980年のアルバム『Shine The Light Of Love』の紹介です。

Googie And Tom Coppola / Shine The Light Of Love (1980年) フロント・カヴァー

Googie And Tom Coppolaは、男性キーボード奏者のTom Coppolaと、女性シンガーのGoogie Coppolaによる夫婦のデュオ。この『Shine The Light Of Love』は、彼らの唯一のアルバムである。

夫婦のデュオというと、SeawindのBob WilsonとPauline Wilson夫妻の "Bob & Pauline Wilson" や、そのアルバム『Somebody Loves You』を思い出すが、本作の音は、この『Somebody Loves You』に似ている。フュージョン・タッチのポップ & ファンキーなサウンドやリリジャスな歌詞だけでなく、Googie Coppolaのキュートな美声や歌い回しもPauline Wilson似。

収録曲は、プロデューサーのJerry Petersが提供した2曲(2, 8)を除いて、Coppola夫妻の作。「Nothing In This World」や「Family Of Man」など、ポップでとびきり美メロなヴォーカル曲が揃っている。

「Shine The Light Of Love」「Everything Is Coming To The Light」「Joyous Flame」といったリリジャスなタイトルの曲が多いのは、CCMのアルバムだから。Special Thanksの筆頭も "The Lord Jesus" になっている。ジャケットが可愛いハート・マークだらけなのも、夫妻のラブラブ度のアピールではなく、慈愛かな。ちなみに、インナー・フォトの二人はラブラブです。

Googie And Tom Coppola / Shine The Light Of Love (1980年) インナー・フォト

Googieの歌声は、キュートで澄み切った美声。まさに "天使の歌声" で、Tomの浮遊感のあるキーボードとの相性もピッタリ。それがこのデュオの一番の魅力になっている。また、歌声の表情も豊かで、例えば「Broken Wings」での歌声は、Kate Bushのようにミステリアス。

タイトル曲「Shine The Light Of Love」の引力はなかなかのもの。ファンキーで軽快なグルーヴに乗せて、Googieが弾むような声で "Shine the light of love, let it shine, let it shine" というフレーズを愛らしく繰り出す。このウキウキした感じが病みつきになる。

二人は70年代の初めにAirという4人組のJazz Rockバンドを組んで活動しており、71年には、Herbie Mannのプロデュースでアルバム『Air』を出している。そこでは、本作とはひと味違う、Googieのソウルフルな歌声を聴くことができる。

●収録曲
  1. Shine The Light Of Love - 5:18
  2. Broken Wings - 5:09
  3. Nothing In This World - 5:22
  4. Everything Is Coming To The Light - 3:38
  5. Missing Love - 5:16
  6. Joyous Flame - 5:11
  7. Let This River Flow - 2:52
  8. Family Of Man - 6:39

◆プロデュース: Jerry Peters(k, ar), Googie Coppola(vo, ar), Tom Coppola(k, ar)

◆参加ミュージシャン: Greg Poree/Paul Jackson Jr./John Rowin(g), Eddie Watkins/Wayne Douglas(b), Raymond Pounds/NateNeblett(ds), Bobbye Hall/Paulinho Da Costa(per), Ernie Watts(Woodwinds), Jerry Hey(tp), Angela Winbush/Maxi Anderson/D.J. Rogers(bv), etc

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