Maxus / Maxus (デビュー !!) (1981年) – アルバム・レビュー

2019年11月22日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Maxusの1981年のアルバム『Maxus / デビュー !!』の紹介です。

Maxus / Maxus (デビュー !!) (1981年) フロント・カヴァー

MaxusはLAを中心に活動していた才能あるセッション・プレイヤーたちが結成したグループ。メンバーはJay Gruska(vo, k), Michael Landau(g), Robbie Buchanan(k), Mark Leonard(b), Doane Perry(ds)の5人で、グループの成り立ちから "第二のTOTO" と呼ばれることもある。TOTOとの最大の違いはグループが短命であったこと。このデビュー・アルバムが唯一のアルバムである。

グループの中心人物はJay Gruska。彼はメンバーと一緒に全ての曲を作り、リード・シンガーを担当した。Jay Gruskaの作るメロディにはヒネリがあり、クールで知的。また、ハイ・トーンでクセのある声質が曲に独特の緊張感をもたらしている。

メンバーの演奏技量は高く、「The Higher You Rise」のようなロック・ナンバーではダイナミックに分厚く、「Keep A Light On / 灯りを消さないで」のような美しいバラードでは叙情豊かに演奏する。また、「Where Were You」のような複雑に展開するフュージョン・タッチの曲では、高度なアンサンブルをバッチリ決める。

アルバムからのヒット・シングルはないが、「Nobody's Business」はPeter Cupplesの84年のアルバム『Half The Effort Twice The Effect』において「Never Mind」という曲名でカヴァーされた。

レベルの高いバンドなのでアルバムを1枚しか残せなかったのは残念。人気盤だけに本作のCDは何度か再発されており、2016年10月にはワーナーの「AOR BEST SELECTION 1300」シリーズから高品質SHM-CDで再発。Jay Gruskaの84年のソロ・アルバム『Which One Of Us Is Me / カフェ・グルスカ』も同時に再発されており、Maxusをもっとポップに、80年代らしくアレンジしたサウンドになっている。

●収録曲
  1. The Higher You Rise - 3:47
  2. Nobody's Business - 3:21
  3. What You Give - 3:51
  4. Keep A Light On / 灯りを消さないで - 3:21
  5. Your Imagination - 3:30
  6. They Danced / 涙のダンス - 3:59
  7. Part Of You - 3:02
  8. Don't Try To Stop Me Now / 止めても無駄さ - 4:38
  9. Where Were You - 5:21

◆プロデュース: Michael Omartian(sy, per ar)

◆参加ミュージシャン: Jay Gruska(vo, k), Michael Landau(g), Robbie Buchanan(k, bv), Mark Leonard(b, bv), Doane Perry(vo, ds)
with Paulinho Da Costa(per), Ian Underwood(sy), Bill Champlin/Tommy Funderburk/Jennifer Williams(bv), etc

スポンサーリンク