Pages / Pages (1981年) – アルバム・レビュー

2020年2月8日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Pagesの1981年のアルバム『Pages』の紹介です。

Pages / Pages (1981年) フロント・カヴァー

PagesはRichard PageとSteve Georgeの二人を中心とするグループ。彼らは1978年に5人組のバンドとしてデビューし、1作目の『Pages / ファースト・ペイジズ』(78年)と2作目の『Future Street』(79年)までは5人で活動している。その後にRichard, Steveの二人と作詞を専門に担当するJohn Lang(Richardのいとこ)を加えた3人体制になり、3作目の『Pages』を発表。これがラスト・アルバムになっている。

RichardとSteveの二人はPagesの活動のほかにセッション・ミュージシャンとしても多くの仕事をしており、さまざまなアーティストのアルバムに主にバック・ヴォーカルで参加して、高音の美しいハーモニーを添えている。また、Pagesを解散後の1982年にはSteve Farris(g), Pat Mastelotto(ds, per)を加えた4人でMr. Misterを結成し、「Broken Wings」「Kyrie」という2曲の全米No.1ヒットを生んだ。

さて、ここで紹介する『Pages』は、デビュー作ではなく、最終作のほう。前作まではBobby Colombyがプロデュースを担当したが、本作では曲によってプロデューサーが変わり、Bobby Colombyが2曲(1, 4)を、Jay Graydonが残りを担当している。収録曲は全てPage-George-Langの作だが、Graydonが3曲(4, 6, 8)、ギタリストのCharles Johnsonが2曲(3, 7)を共作。Charles Johnsonは前作『Future Street』におけるPagesのメンバーだ。

Colombyのプロデュースした「You Need A Hero」と「Come On Home」は、とても滑らかなミディアム・テンポのナンバーで、『ファースト・ペイジズ』の頃の作風を思わせる。落ち着いた演奏は、Neil Stubenhaus(b), Jeff Porcaro(ds), Paul Jackson Jr./Steve Khan(g), Tom Scott(sax)等。ヒットはしなかったが、この2曲がシングル・カットされた。

Graydonのプロデュースしたナンバーは、よりクールに洗練された印象。「Tell Me」と「Only A Dreamer」は惚れ惚れするようなクールなメロディで、彼らの持ち味である澄み切った美しいハーモニーも絶品だ。「Tell Me」ではRalph Humphreyがドラムスを担当。「Only A Dreamer」ではMike Bairdがドラムスを、Graydonがギターを担当している。

フュージョン・タッチの「O.C.O.E.」や、アグレッシヴなロック・チューンの「Automatic」におけるスリリングな演奏も見事。「O.C.O.E」ではVinnie Colaiutaがドラムスを担当。一方の「Automatic」ではJeff Porcaroが担当し、CDのライナー・ノーツによると複雑な変拍子を難なく叩いたそうだ。

ラストの美しいバラード「Midnight Angel」にはAl Jarreauが "Vocal flute effect" で参加し、フルートの音色を声で表現するという、目立たないが高度な技で貢献している。

クールに洗練された楽曲と美しいヴォーカル・ハーモニー。演奏のレベルも高く、プロダクションも完璧。素晴らしいアルバムなのにヒットはせず、コマーシャルな路線を狙ったMr. Misterにおいて商業的な成功を果たす。中田利樹氏のライナー・ノーツでは、コマーシャルな成功と芸術を極めたPages時代のどちらが重要なものかという趣旨のインタビューに対して、Richard Pageは "Mr. Misterの方が自分にとってはより純粋な感じがする" と答えており、とても重みがある。

●収録曲
  1. You Need A Hero - 3:43
  2. Tell Me - 3:52
  3. O.C.O.E. (Official Cat Of The Eighties) - 5:00
  4. Come On Home - 3:27
  5. Sesatia - 4:37
  6. Only A Dreamer - 4:30
  7. Automatic - 3:59
  8. Fearless - 4:20
  9. Midnight Angel - 4:30

◆プロデュース: Jay Graydon(g, sy), Bobby Colomby

◆参加ミュージシャン: Richard Page(vo), Steve George(k, vo)
with Charles Johnson/Steve Khan/Paul Jackson Jr.(g), Neil Stubenhaus/Abraham Laboriel(b), Jeff Porcaro/Ralph Humphrey/Vinnie Colaiuta/Mike Baird(ds), Paulinho Da Costa(per), Tom Scott(sax), Al Jarreau(bv), etc

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