Carole Bayer Sager / Sometimes Late At Night (1981年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Carole Bayer Sagerの1981年のアルバム『Sometimes Late At Night / 真夜中にくちづけ』の紹介です。

Carole Bayer Sagerはニューヨーク生まれの作詞家。自身のアルバムは3枚を残しており、本作がサード・アルバムにあたる。
本作のプロデュースを担当したのはBurt Bacharachで、収録曲もほとんどをBurt BacharachとCarole Bayer Sagerが共作した。正確には、Sager-Bacharachで7曲(2, 4, 8-10, 12, 13)、Sager-Bacharach-Peter Allenで2曲(1, 3)、Sager-Bacharach-Bruce Robertsで1曲(11)、Sager-Neil Diamondで2曲(5, 6)、Sager-Peter Allenで1曲(7)となっている。
アルバムは、「Prologue」に始まり「Reprise」で終わるトータル・アルバム風の構成。その間をスロー~ミディアム系の甘いナンバーでシームレスにつないでおり、Bacharachのピアノに伴奏されながらSagerが独特のウィスパー・ヴォイスで歌う。そのロマンティックで幸せなムードには特別なニュアンスがあり、実際にSagerとBacharachの二人は翌年に結婚した。
「Just Friends」ではバック・ヴォーカルにMichael Jacksonの優しい歌声をフィーチャー。Lee RitenourやJeff Porcaro、Pagesなどの馴染みのミュージシャンの演奏も、このアルバムの特別な空気を慈しむかのように皆とても優しい。特に、Pagesのバック・コーラスは賛美歌を歌う聖歌隊のように美しく、中でも「Wild Again」におけるRichard Pageの清らかな歌声は感動的。
シングル・カットされた「Stronger Than Before」は、Chaka Khanの84年のアルバム『I Feel for You』や、Dionne Warwickの85年のアルバム『Friends』でカヴァーされた。
こんな幸せそうなアルバムを残した二人だが、10年後の1991年に離婚しており、何があるか分からない。ちなみに、SagerにとってBacharachは2度目の、BacharachにとってSagerは3度目の結婚相手。今は二人とも新しいパートナーと結婚生活を送っている。
- ●収録曲
- Prologue - 0:30
- I Wont Break / 愛のアレンジメント - 3:59
- Just Friends - 3:16
- Tell Her - 3:11
- Somebody's Been Lying / 愛にゆれる - 3:38
- On The Way To The Sky / 恋を求めて - 3:11
- You And Me / あなたと私 - 4:38
- Sometimes Late At Night / 真夜中にくちづけ - 4:06
- Wild Again - 2:38
- Easy To Love Again / 甘い誘惑 - 4:16
- Stronger Than Before / 愛は果てしなく - 3:57
- You Don't Know Me / 夜にひとり - 3:39
- Reprise - 1:52
◆プロデュース: Burt Bucharach(k, ar), Brooks Arthur, Michael Jackson(bv)
◆参加ミュージシャン: Lee Ritenour/Paul Jackson Jr./Jay Graydon/Steve Lukather/Fred Tackett/Neil Diamond(g), David Foster(k, ar), Lee Sklar(b), Jeff Porcaro/Jim Keltner(ds), Paulinho Da Costa(per), Jerry Hey(ar), Melissa Manchester/Bruce Roberts/Richard Page/Steve George/Franne Golde(bv), Marvin Hamlisch(ar), etc
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