Stevie Woods / Take Me To Your Heaven (1981年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Stevie Woodsの1981年のアルバム『Take Me To Your Heaven / スティール・ザ・ナイト』の紹介です。

Stevie Woods / Take Me To Your Heaven (1981年) フロント・カヴァー

Stevie WoodsはアメリカのR&Bシンガー。ファンク・バンドのCrowd Pleasersのメンバーを経て、80年代の前半に3枚のソロ・アルバムをリリースしており、そこから「Steal the Night」(米25位)、「Just Can't Win 'Em All」(米38位)のヒットを生んでいる。

この『Take Me To Your Heaven』は、その2曲を収めたファースト・アルバム。黒いシャツの胸元を開けて男の色香を放つフロント・カヴァーを見ると、何だかやんちゃそうな印象。濃厚なR&Bサウンドやセクシーな歌声を想像するが、実際の音はポップでメロウ。伸びやかな歌声で丁寧に歌う、爽やかなアルバムである。

収録された9曲はカヴァー曲やライターの書き下ろしで構成されており、カヴァー曲のセレクトも爽やか。

「Fly Away」は、Peter Allen, Carole Bayer Sager, David Fosterによる共作。このアルバムからのサード・シングルとなり、米84位、ACチャートの23位をマークしている。原曲は、Peter Allenの80年のアルバム『Bi-Coastal』に収録されており、竹内まりやも同年のアルバム『Love Songs』で歌った。

爽やかなタイトル曲「Take Me To Your Heaven」は、Wilson Brothersのアルバム『Another Night』(79年)の収録曲。ファンキーな「Wanna Be Close To You」は、Rene & Angelaのアルバム『Wall to Wall』(81年)からのカヴァー。メロウな「Throw A Little Bit Of Love My Way」は、David Foster, Jay Graydon, Harry Garfieldの作で、Cory Wellsのアルバム『Touch Me』(79年)からのカヴァーである。

素材の良さを生かすように、これらの曲をオリジナルに近いアレンジで歌っており、その丁寧さが好印象。逆に個性の強いヴォーカルを期待すると、いい意味で期待を裏切られるかも。Stevie Woodsは2014年に他界したが、娘のTiana Woodsは、Varnaというロック・バンドのリード・シンガーとしてL.A.を中心に活動している。

●収録曲
  1. Fly Away - 4:04
  2. Just Can't Win'em All - 4:10
  3. Take Me To Your Heaven - 4:03
  4. Steal The Night - 3:47
  5. Through The Years - 4:26
  6. Wanna Be Close To You - 4:38
  7. Read Between The Lines - 3:52
  8. Throw A Little Bit Of Love My Way - 4:25
  9. Gotcha - 5:00

◆プロデュース: Jack White

◆参加ミュージシャン: Stevie Woods(vo, g), Steve Lukather/Ray Parker Jr./Paul Jackson Jr./Charles Fearing(g), Greg Mathieson/Clarence McDonald(k), Nathan East/Ed Watkins/David Shields(b), Ed Greene/Ndugu Leon Chancler/Mike Baird/James Gadson(ds), Paulinho Da Costa(per), Bill Champlin/Tom Kelly/Waters(bv), etc

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