Van Stephenson / China Girl (瞳の奥に…) (1981年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Van Stephenson(ヴァン・スティーヴンソン)の1981年のアルバム『China Girl / 瞳の奥に…』の紹介です。

Van Stephenson / China Girl (瞳の奥に…) (1981年) フロント・カヴァー

Van Stephensonはナッシュヴィル育ちのシンガー・ソングライター。70年代の中盤にカントリー系のソングライターとして仕事をスタートし、カントリー・チャートのTop 10に入るヒット曲も書いている。80年代にソロ・アルバムを3枚残しており、この『China Girl』はデビュー・アルバムにあたる。

本作はおおらかでリラックスしたアルバム。ナッシュヴィルのShane Keister(sy)やLarry Paxton(b)、マッスル・ショールズのWayne Perkins(g)やKenny Mims(g)等がサポートし、演奏には心地よい重量感とゆとりがある。なお、Joe English(ds)はPaul McCartney & Wingsに75年から77年まで在籍したニューヨーク出身のドラマーだ。

リラックスしたナンバーの中にあって、「Seeing Is Believing」「China Girl」「New York, Hold Her Tight」などの哀愁味あるバラードが印象に残る。特に、タイトル曲の「China Girl」にはきらきらとした甘酸っぱさがあって、何ともほろ苦い。この曲は、John Cougarも82年の大ヒット・アルバム『American Fool』で歌った。

Van Stephensonのハスキーな歌声はDon Henleyにも似ている。Don Henleyをスウィートにした感じ。ジャケットの中国風の似顔絵もキュートだ(谷原章介に似ている?)。爽やかなサウンドとアンマッチだからか、日本盤のジャケットは青空とヨット・ハーバーの風景写真に差し替えられた。

Van Stephenson / China Girl (瞳の奥に…) (1981年) 日本盤フロント・カヴァー

本作以降、Van Stephensonは84年にセカンド・アルバム『Righteous Anger』を、86年にサード・アルバム『Suspicious Heart』をリリース。いずれもソリッドなメロディアス・ロックのアルバムで人気がある。その後はカントリー・ミュージックに戻り、90年代にはBlackHawkというカントリー・ロック・トリオを結成して活動した。残念ながら2001年に47歳の若さで他界。BlackHawkは今も息の長い活動をしている。

●収録曲
  1. You've Got A Good Love Coming - 2:55
  2. Looks Like A Loser - 3:20
  3. Seeing Is Believing - 3:26
  4. China Girl / 瞳の奥に… - 4:18
  5. Weekend Warrior - 3:52
  6. I Would If I Could - 3:02
  7. Tonight The Love's On Me - 3:44
  8. Hotter In The Night - 3:28
  9. New York, Hold Her Tight - 3:52
  10. Lion In The Night - 3:07

◆プロデュース: Bob Montgomery, Jeff Silbar

◆参加ミュージシャン: Wayne Perkins/Kenny Mims(g), Mike Hanna(k), Shane Keister(sy), Larry Paxton(b), Joe English(ds)

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