Sneaker / Sneaker (想い出のスニーカー) (1981年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Sneakerの1981年のアルバム『Sneaker / 想い出のスニーカー』の紹介です。
SneakerはLAで結成された6人組のウェストコースト・ロック・バンド。Steely Danを敬愛しており、グループ名はSteely Danの1975年のアルバム『Katy Lied / うそつきケイティ』に収録の人気曲「Bad Sneakers」から取っている。
彼らのスタジオ・アルバムは2枚あり、本作はファースト・アルバム。2作目は翌82年にリリースされた『Loose In The World』で、どちらのアルバムも、Steely DanのメンバーだったJeff Baxterがプロデュースを担当している。
1曲目の「Don't Let Me In」は、Donald FagenとWalter BeckerがSteely Danの結成前に書いた曲のカヴァーで、曲の終わりにはJeff Baxterがパキパキした音色のギターを弾いている。この曲はセカンド・シングルとなり、Billboard Hot 100チャートの63位をマークした。ちなみに、ラストの「No More Lonely Days」のエンディングのソロもJeff Baxterだ。
2曲目以降は彼らのオリジナルで、その中から「More Than Just The Two Of Us」という名バラードが生まれた。穏やかで綺麗なメロディを澄み切ったハーモニーで聴かせる美しい曲で、ストリングスの優さも格別。Billboard Hot 100チャートでは34位をマークしている。この曲はBarry Manilowに提供するつもりで書かれたらしいが、この爽やかさはSneakerでなければ出せないだろう。
他には、Alan Parsons風の「In Time」やSupertramp風の「Millionaire」もあったりして、育ちのよさを感じるポップな曲ばかり。「Jaymes」には外部のミュージシャンも参加しており、David FosterがClavinetを弾いている。
Steely Danというと、シニカルな歌詞やクールで洗練されたサウンドという印象があるが、デビューから『うそつきケイティ』あたりまでは穏やかなアメリカン・ポップスを持ち味としていた。その頃のSteely Danの良さを受け継いでいるグループだ。
今のところ本作のCDの入手は難しくなっているが、セカンド・アルバムの『Loose In The World』については2015年に再発されたCDを入手できる。
- ●収録曲
- Don't Let Me In - 4:13
- More Than Just The Two Of Us - 4:21
- One By One - 2:50
- Jaymes - 3:44
- In Time - 4:38
- Get Up, Get Out - 3:32
- Looking For Someone Like You - 4:01
- Millionaire - 4:22
- No More Lonely Days - 5:11
- More Than Just The Two Of Us (demo version)
- Don't Let Me In (demo version)
- Easy With Your Love
- Lazy Lady
◆プロデュース: Jeffrey Baxter(g)
◆参加ミュージシャン: Michael Carey Schneider(vo, k), Mitch Crane(vo, g), Tim Torrance(g), Michael Cottage(b, bv), Jim King(k, vibe), Mike Hughes(ds, bv)
with David Foster(k), Ed Green(ds), Bobby LaKind(per), etc
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