John O’Banion / John O’Banion (僕のラヴ・ソング) (1981年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、John O'Banionの1981年のアルバム『John O' Banion / 僕のラヴ・ソング』の紹介です。

John O'Banion / John O'Banion (僕のラヴ・ソング) (1981年) フロント・カヴァー

John O'Banionはインディアナ州ココモ生まれのシンガー。13歳の頃からローカル・バンドで歌い始め、長い下積みを経験した後、34歳の年に出したファースト・アルバムが本作である。

プロデュースをJoey Carbone(k)とRichie Zito(g)のコンビが担当しており、1曲のカヴァー・ソング(8)を除いて、全ての曲をこの二人が中心となって書いている。

このアルバムからはミディアム・テンポの「Love You Like I Never Loved Before / 僕のラヴ・ソング」がシングル・カットされ、Billboard Hot 100チャートの24位を記録した。ほのぼのと懐かしさを感じさせるメロディが心地よいナンバーだ。

JoeyとRichieはとても優れたソングライター・コンビで、「Love Is Blind」のようなロック・ナンバーから、「You're In My Life Again」や「Love Is In Your Eyes」のようなロマンティックなバラードまで、フックのある瑞々しいメロディの曲が揃っている。「Love Is Blind」は、Uriah Heepも83年作のアルバム『Head First』でカヴァーした。

John O'Banionは透明で伸びやかなハイトーン・ヴォイスの持ち主。天与の声と下積みで磨いた歌唱力を駆使して、エモーショナルにロマンティックに歌う。スケールの大きな歌いっぷりは見事で、JoeyとRichieの作る曲の良さを存分に引き立てている。

歌の上手さだけでなく、清潔なルックスやどこか陰のある佇まいが日本では受けた。82年の東京音楽祭に招かれてグランプリを獲得し、翌年には映画『里見八犬伝』の主題歌を歌っている。2007年のバレンタイン・デーに他界し、帰らぬ人となった。

このアルバムは、ワーナーの「AOR BEST SELECTION 1300」シリーズから2016年9月に高品質SHM-CDで再発された。個人的にすごく好きなアルバムである。

●収録曲
  1. Love You Like I Never Loved Before / 僕のラヴ・ソング - 3:29
  2. You're In My Life Again / 涙でもう一度 - 3:09
  3. Love Is Blind - 3:34
  4. Our Love Can Make It / 二人のメイク・ラヴ - 3:12
  5. Love Is In Your Eyes / 瞳にうちあけて - 3:17
  6. Come To My Love - 3:21
  7. Take A Chance On Love / 恋のチャレンジ - 3:14
  8. Walk Away Renee / いとしのルネ - 2:30
  9. If You Love Me - 3:30
  10. She's Not For You / 哀愁のフィナーレ - 4:00
  11. Something About Your Love (Bonus Track)
  12. Greener Pastures (Bonus Track)

◆プロデュース: Joey Carbone(k, per, bv, ar), Richie Zito(g, ar)

◆参加ミュージシャン: Dennis Belfield(b), Carlos Vega(ds), Lenny Castro(per), Bobby Kimball/Jon Joyce/Jimmy Haas/Stan Farber(bv), James Newton Howard(strings ar)

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