Sneaker / Loose In The World (1982年) – アルバム・レビュー

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Sneakerの1982年のアルバム『Loose In The World』の紹介です。

Sneaker / Loose In The World (1982年) フロント・カヴァー

SneakerはLAで結成された6人組のロック・バンド。彼らはSteely Danを敬愛しており、グループ名はSteely Danの1975年のアルバム『うそつきケイティ』に収録の人気曲「Bad Sneakers」から取っている。また、彼らが80年代に残した2枚のスタジオ・アルバムのプロデュースを担当したのは、Steely DanのメンバーだったJeff Baxterである。

この『Loose In The World』は、彼らのセカンド・アルバム。綺麗なメロディ・ライン、爽やかな歌声、澄み切ったハーモニー、しっかりしたバンド・サウンドといった彼らの良さは、1作目の『想い出のスニーカー』と同じ。

1作目から変わったのは、1曲目の「Believe Me Tonight」やインスト曲の「Pour It Out」など、ハード・ドライヴィングな曲が増えていること。また、アレンジも少し華美になっているかも知れない。産業ロックというほどでもないが、ヒットが狙えそうな曲を増やしたのだろう。「Believe Me Tonight」はファースト・シングルに選ばれたが、残念ながらチャート・インはしなかった。

「Before You」や「Where You Gonna Run」、「Did You Order One」などの穏やかで爽やかなAORナンバーは、1作目の良さを受け継いでいる。「Did You Order One」のクールなメロディや乾いたギターの音色、凝った構成の間奏からは、彼らの "Steely Dan愛" が感じられる。

「Never Get Over You」や「Someone To Blame It On」などのバラードは、メロディが美しくてロマンティック。1作目にも「More Than Just The Two Of Us」という美しいバラードがあり、全米34位のヒットを記録しているが、「Someone To Blame It On」の綺麗なメロディ・ラインと爽やかな歌声を聴くと、その曲を思い出す。

アルバム・タイトルの「Loose In The World」という曲は、不思議なことにオリジナルのアルバムには収録されていないが、Cool Soundから再発されたCDにボーナス・トラックとして収録された。Supertramp風のメロディの曲で、決して悪くない。

●収録曲
  1. Believe Me Tonight - 3:43
  2. Quit Crying - 4:16
  3. Before You - 3:32
  4. The Fight - 0:40
  5. Voices - 3:42
  6. Never Get Over You - 4:06
  7. Where You Gonna Run? - 3:55
  8. Pour It Out - 3:58
  9. Someone To Blame It On - 3:27
  10. Did You Order One? - 5:36
  11. Nothing From You - 4:37

◆プロデュース: Jeff Baxter(g)

◆参加ミュージシャン: Mitch Crane(g, vo), Michael Carey Schneider(k, vo), Tim Torrance(g), Jim King(k, sy), Michael Cottage(b), Mike Hughes(ds)
with Paulinho Da Costa(per)

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