Leslie Pearl / Words & Music (おしゃれな関係) (1982年) – アルバム・レビュー

2019年9月1日2021年9月26日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Leslie Pearlの1982年のアルバム『Words & Music / おしゃれな関係』の紹介です。

Leslie Pearlは、アメリカのシンガー・ソングライター。デビューしたのは1977年で、妹のDeborahとのユニット "Pearl" 名義でデビュー・アルバムの『Pearl』を発表している。その後はソングライターとして活動し、Johnny Mathis, Mary MacGregor, Dr. Hook, Crystal Gayleなどに曲を提供。今日紹介する『Words & Music』は82年に発表された唯一のソロ・アルバムだ。

フロント・カヴァーの女性ロッカー然とした佇まいから、TOTO～Airplay系の快活なサウンドを想像したが、実際は清涼感のある爽やかなアルバム。"おしゃれな関係" という邦題からは、化粧品メーカーの資生堂がスポンサーを務めたトーク番組『おしゃれカンケイ』を連想するが、もちろん無関係だ。

プロデュースとアレンジをLeslie Pearlが自ら担当し、全曲を彼女が作詞・作曲している。ここから「If The Love Fits Wear It」がシングル・カットされ、全米チャートの28位（ACチャートでは7位）をマークした。妹のDeborahは "Debbie Pearl" というクレジットで参加し、バック・ヴォーカルを担当している。

では、おすすめの3曲をピック・アップ。

まずは、1曲目の「Let's Go to Bed Early and Stay up All Night」。情熱的でストレートな表現のタイトルと裏腹に、メロディは涼やかで曲調も穏やかだ。曲のタイトルに関しては、
・"There is nothing so expensive as a woman who's free for the night"
・"Anything but yes is still a no"
・"You're the first thing I want but the last thing I need"
など、複雑な女心が垣間見られるようなひねりのあるものが多い。

2曲目は、翳りのあるメロディが魅力のバラード「You Never Gave Up On Me」。Chrystal Gayleの81年のアルバム『Hollywood, Tennessee』に提供した曲のセルフ・バージョンで、Chrystal Gayleのバージョンはカントリー・チャートの5位を記録するヒットになった。AOR系では、Peter Pringleが84年のアルバム『Fantasies』でこの曲をカバーしている。

3曲目もバラード・タイプの「The Ones Who Turn Me On」。優しいメロディと女性陣の繊細なバック・ヴォーカルが沁みる。バック・ミュージシャンには、Will Lee(b), Mike Baird(ds), John Tropea(g), John Hobbs(k) 等、実力派を揃えており、演奏は洗練されている。

Karen Carpenterの唯一のソロ・アルバム『遠い初恋』にもLeslie Pearlの曲「My Body Keeps Changing My Mind」が取り上げられている。79年から80年にかけて録音された素材だが、発表されたのはKarenの没後の1996年。溌溂とした曲で、Karenの声質に合っている。

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◆プロデュース： Leslie Pearl(vo, k)

◆参加ミュージシャン： John Tropea/Andrew Gold(g), Paul Shaffer/John Hobbs(k), David Hungate/Will Lee(b), Chris Parker/Mike Baird(ds), Victor Feldman(per), etc