AORのディスク・ガイドの紹介

2023年5月7日

AOR Light Mellow Remaster Plus

AORのディスク・ガイドについて紹介しましょう。ディスク・ガイドとは、CDやレコードをジャンルやアーティスト、年代等のカテゴリーに分けて体系的に紹介した書籍です。さまざまなディスク・ガイドがあり、CDやレコードを収集する際の手引きとしてだけでなく、ジャンルやアーティストについて調べる際のリファレンスとしても重宝します。

また、私のようにディスク・ガイドを読むこと自体を(読書として)楽しむ “ディスク・ガイド愛好家" もいると思います。ディスク・ガイドを読むと、アルバムの制作背景や当時の音楽事情、アーティストの生き方、著者の目線などが分かり、その上でアルバムを聴くと新たな気づきがあって楽しいものです。

AORのディスク・ガイドの著者・監修者として、金澤寿和さんと中田利樹さんが知られていますので、それぞれの手がけた書籍を紹介しましょう。

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AORのディスク・ガイド(金澤寿和 著・監修)

日本におけるAORブームの火付け役であり、牽引役でもある音楽ライターの金澤寿和さん。私も金澤さんの著書『AOR・ライトメロウ』を手に取ったことをきっかけに、AORというジャンルにハマりました。"Light Mellow(ライトメロウ)" という心地よいフレーズの生みの親でもあるのでしょうか?

共著も含めて、以下に紹介するようなディスク・ガイドがあります。

  • 『AOR・ライトメロウ』(金澤寿和 著, エクシードプレス, 1999/6)

2000年以降のAOR再評価ブームの火付け役を果たしたと言われています。250のアーティストをセレクトし、1アーティストにつき1枚のアルバムを厳選。1ページに2作品(見開き4作品)のペースで年代順に紹介しています。167頁というコンパクトな分量ながら濃密な内容。文句なしの名著ですが、残念ながら絶版です。

  • 『AOR Light Mellow Remaster Plus』(金澤寿和 著, エクシードプレス, 2001/9)

前書が好評だったために、増補改訂版として出されたものです。41のアーティストが追加され、主要アーティストについては複数(最大3つ)の作品をセレクト。トータルで331作品が紹介されています。当ブログの AORの名盤 330選 は、このディスク・ガイドに準拠して作成しました。こちらも残念ながら絶版です。

  • 『AOR Light Mellow Premium 01 Legends & Pre-AOR』(金澤寿和 著・監修, 福田直木 著, シンコーミュージック, 2020/9)

金澤さんがブルー・ペパーズの福田直木さんと手がけたAORディスク・ガイドです。AORのレジェンドアーティスト30組260枚と、AORのルーツ340枚の計600枚が紹介されています。本書は3部構成の1冊目(エディション01)。Introductionには「エディション01では大物アーティストとプレ期、エディション02では黄金期のスタートから90年代初頭まで、エディション03ではそれ以降のシーンの動きをレア・グルーヴ・ムーヴメント以降の発掘アイテムと現行アーティストの両面から追っていく」と予定されています。

  • 『AOR Light Mellow Premium 02 Golden Era 1976 – 1983』(金澤寿和 著・監修, 福田直木 著, シンコーミュージック, 2022/9)

金澤さんがブルー・ペパーズの福田直木さんと手がけた最新のAORディスク・ガイドです。AORの黄金期、1976年から1983年までの名盤約800枚を紹介しています。本書は『AOR Light Mellow Premium』シリーズの2冊目。1冊目のIntroductionでは「エディション02では黄金期のスタートから90年代初頭まで」と予定されていましたが、掲載数があまりにも増えてしまい、84年以降を次回Premium 03に回すことにしたそうです。

  • 『Light Mellow和モノ669』(金澤寿和 監修, 毎日コミュニケーションズ, 2004/1)

個人的に未購入で中身を紹介できませんが、国内のLight Mellowテイストの作品を紹介しているようです。掲載作品数が669もありますので、厳選というよりは、"幅広く" という意図を感じます。既に絶版です。

  • 『Light Mellow和モノSpecial ~more 160 items~』(金澤寿和 監修, ラトルズ, 2013/10)

前著の増補版です。2013年に刊行され一度は絶版になりましたが、ファンからの問い合わせ多数のため2018年に重版されています。「BOOK」データベースによると、「掲載アイテムの入れ替えナシに、初版の04年以降にリリースされた新作を中心に、新たなる発掘ネタや、近年再評価が進むブギー物など160枚超の新ネタを追加」とのこと。800枚を超えると、個人的にはちょっと多いかなという印象です。

AORのディスク・ガイド(中田利樹 著・監修)

クール・サウンド・レーベルを主宰する中田利樹さんによるAORのディスク・ガイドを紹介します。中田さんはディスク・ガイド以外にも、『AOR名盤プロデューサーの仕事』(シンコーミュージック, 2013/11)などの関連書籍を手がけています。

  • 『AORディスク・ガイド』(中田利樹 著, シンコーミュージック, 2002/2)

シンコーミュージックの「ディスク・ガイド」シリーズは何冊か所有しており重宝していますが、AORについては既に金澤さんの著書を持っていたので未購入でした。アルバムとシングル合わせて500作品が紹介されています。既に絶版です。

  • 『AORディスク・コレクション』(中田利樹 監修, シンコーミュージック、2014/3)

シンコーミュージックの「ディスク・コレクション」シリーズのAOR版として2014年3月に出版されました。「BOOK」データベースによると、「前身の「ディスク・ガイド」シリーズから300枚増、オールカラーとなって全ての音楽ファンに常備してもらいたい一冊がここに誕生」とのこと。800枚になると、個人的にはちょっと多いかなという印象です。

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