The Dukes (Bugatti & Musker) / The Dukes (1982年) – アルバム・レビュー

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、The Dukes (Bugatti & Musker)の1982年のアルバム『The Dukes / ミステリー・ガール』の紹介です。

The Dukes (Bugatti & Musker) / The Dukes (1982年) フロント・カヴァー

The Dukesは、Frank Musker(マスカー)とDominic Bugatti(ブガッティ)という英国人のソングライターによるユニット。二人は "Bugatti & Musker" という名前で、Sheena Eastonの「Modern Girl」(80年)やAir Supplyの「Every Woman In The World」(80年)など、様々なアーティストにヒット曲を提供しているが、自分たちのアルバムとして制作したのはこの『The Dukes』が最初で最後である。

このアルバムのプロデュースは大御所プロデューサーのArif Mardinが手がけた。収録曲は全て二人のオリジナルで、プロのソングライターらしい親しみやすいメロディが揃っている。

フロント・カヴァーのネオンの文字がディスコ風のサウンドを想像させるが、実際にダンサブルな曲が多い。また、収録曲の約半分は他のアーティストに取り上げられている。

パーティ・ソングの「Thank You For The Party」は、Sister Sledgeが83年のアルバム『Bet Cha Say That To All The Girls』でカヴァー。「Love Dance」は、Otis Reddingの息子2人とそのいとこが結成したThe Reddingsの81年のアルバム『Class』の収録曲。

また、「So Much In Love」は、Sheena Eastonの81年のデビュー作『モダン・ガール』に「Modern Girl」と一緒に提供した曲。「Fate」は、Chaka Khanの81年のアルバム『What Cha' Gonna Do For Me』の収録曲だ。

1曲目の「Mystery Girl」は本作一押しのスタイリッシュなナンバー。キャッチーで明快なメロディと、参加ミュージシャンによる引き締まった演奏が気持ちいい。前年にシングルとして先行リリースされ、UKチャートでは47位をマークした。

参加ミュージシャンにはTOTOのSteve Lukather(g)やJeff Porcaro(ds)、MaxusのRobbie Buchanan(k)といったお馴染みのセッション・プレイヤー以外に、Richard Tee(k)のような大御所の名前も並ぶ。ちなみにRichard Teeは、「Excitement Of The New」「Love Dance」の2曲で鍵盤のソロを弾いている。

このアルバムは2016年4月にワーナーの「新・名盤探検隊」シリーズからCDが再発された。最新のデジタル・リマスタリングに加えてボーナス・トラックが3曲収録されており、おすすめだ。

●収録曲
  1. Mystery Girl - 4:41
  2. Survivor - 3:18
  3. Thank You For The Party - 3:39
  4. Memories - 3:14
  5. Excitement Of The New - 5:34
  6. Love Dance - 3:41
  7. Soul Mates - 3:38
  8. So Much In Love - 4:17
  9. Fate - 3:35
  10. Nite Music - 3:53

◆プロデュース: Arif Mardin

◆参加ミュージシャン: Steve Lukather/David Williams/Paul Jackson Jr./Carlos Rios(g), Robbie Buchanan/Richard Tee(k), Will Lee(b, bv), Abraham Laboriel(b), Jeff Porcaro/John Robinson(ds), Hamish Stuart/Marcy Levy(bv), etc

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