Larry John McNally / Larry John McNally (シガレット・アンド・スモーク) (1981年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Larry John McNallyの1981年のアルバム『Larry John McNally / シガレット・アンド・スモーク』の紹介です。
Larry John McNallyは、ニューヨークを拠点に活動するシンガー・ソングライターであり、ギタリスト。大人びた味わいの渋い曲を作る人で、Chaka KahnやRod Stewartなど多くのシンガーが彼の曲を歌っている。
この『Larry John McNally』はファースト・アルバム。プロデュースを担当したのは、元Fifth Avenue BandのJon Lindで、自作の6曲と共作の2曲を収録し、共作者はJon Lind(4)、Andrew Kastner(8)となっている。
1曲目の「Just Like Paradise」は、そのタイトルのように、穏やかなメロディとリラックスした曲調が心地よいナンバー。この曲は、Devonsquare(ディヴォンスクエア)の87年のアルバム『Walking On Ice』でカヴァーされた。
続く3曲は、ファンキーで渋いナンバー。特に、「Don't Let _ _ Do Your Talkin' For Ya」のジャジーで粋な味わいはBen Sidranの曲のようで、洒落た歌い回しもBen Sidranぽい。また、「Lose Myself」では、Buzzy Feitenのブルージーなギターが聴きモノ。俳優のBruce Willisが87年のアルバム『The Return Of Bruno』で、この曲を歌っている。
後半は、ポップで都会的なナンバーを収録。「Real Good Thing」は本作唯一のバラードで、苦いメロディとLarryの優しい歌声が心の奥まで沁みる。女性シンガーのMavis Staplesが、79年のアルバム『Oh What A Feeling』において、この曲をカヴァーした。
「Wasn't I Your Friend」は、Average White Bandも録音したシティ・ソウル。オルガンの音色や洗練されたグルーヴがLarsen-Feiten Bandみたいだ。ラストの「Sleep On It」は、Chaka Khanのデビュー・アルバム『Chaka』(78年)に提供した曲のセルフ・カヴァー。ここでも、Buzzy Feitenのギターがクールで渋い。
Larry John McNallyは、作る曲の渋さや粋な歌い方から "男Rickie Lee Johnes" と呼ばれることもあるそうだ。夜の街で、煙草に火をともすジャケットも渋い。そう言えば、Rickie Lee Jonesのデビュー作『浪漫』のジャケットも、くわえ煙草でもの憂げにうつむくRickieだっけ。
- ●収録曲
- Just Like Paradise - 3:27
- Broken Down Rock 'N Roll Man - 3:48
- Don't Let _ _ Do Your Talkin' For Ya - 5:08
- Lose Myself - 3:40
- Sleepy Town - 4:17
- Real Good Thing - 3:02
- Wasn't I Your Friend - 3:09
- Sleep On It - 4:03
◆プロデュース: Jon Lind(bv)
◆参加ミュージシャン: Larry John McNally(vo, ag), Buzzy Feiten(g), Victor Feldman(k, per), Bill Payne/Ricky Kelly(k), Reggie McBride/Keni Burke/Chuck Domanico(b), James Gadson/Gary Mallaber(ds), Lenny Castro/Sam Clayton(per), Tom Scott(sax), Varelie Carter(bv), etc
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