Rickie Lee Jones / Rickie Lee Jones (浪漫) (1979年) – アルバム・レビュー

2019年11月18日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Rickie Lee Jonesの1979年のアルバム『Rickie Lee Jones / 浪漫』の紹介です。

Rickie Lee Jones / Rickie Lee Jones (浪漫) (1979年) フロント・カヴァー

Rickie Lee Jonesはアメリカの女性シンガー・ソングライター。シカゴ生まれの彼女は19歳の頃からロサンゼルスのバーやクラブで歌うようになり、25歳の時にレコード・デビューを果たす。本作は、そのデビュー・アルバムである。

本作からは、気だるい感じでジャジーに歌う「Chuck E's In Love / 恋するチャック」がBillboard Hot 100チャートの4位となるヒットを記録した。アルバムもBillboard 200チャートの3位を記録し、デビュー・アルバムにしてトップ10入り。翌年のグラミー賞では、彼女が「Best New Artist」の栄誉を手にした。

全曲が彼女のオリジナルで、このうち2曲(9, 10)はAlfred Johnsonとの共作。ブルース調の「Easy Money」は、Lowell Georgeの同年のソロ・アルバム『Thanks, I'll Eat It Here / 特別料理 イート・イット・ヒア』でカヴァーされた。

Lenny WaronkerとRuss Titlemanがプロデュースを担当し、一流のジャズ・プレイヤーがバックを固める。ジャケットのインナーには「サンタ・モニカの家でのRuss, Rickie, Lenny」という子供3人のスナップ写真があるので、3人は幼なじみということだろうが、ジョークかも知れない。

Rickie Lee Jones / Rickie Lee Jones (浪漫) (1979年) インナー・フォト

彼女の歌声は自由奔放だ。いなせに歌ったり、気だるく歌ったり、つぶやくように寂しく歌ったりする。特に、ほとんどピアノとストリングスだけで歌われる「1963年土曜日の午後」や「Company」、「After Hours」のような静かな曲での彼女の歌声は繊細で美しい。心の内を告げるようなその歌い方は、強い引力で魅了する。

ジャケットのベレー帽姿の彼女のしぐさが何ともチャーミングだ。この写真はカヴァー・アートの巨匠Norman Seeffが撮影した。なお、彼女の81年のセカンド・アルバム『Pirates』も本作と同じプロデューサー・チームが担当しており、素晴らしい内容である。

●収録曲
  1. Chuck E.'s in Love / 恋するチャック - 3:28
  2. On Saturday Afternoons in 1963 / 1963年土曜日の午後 - 2:31
  3. Night Train - 3:14
  4. Young Blood - 4:04
  5. Easy Money - 3:16
  6. The Last Chance Texaco - 4:05
  7. Danny's All-Star Joint / ダニーの店で - 4:01
  8. Coolsville - 3:49
  9. Weasel and the White Boys Cool - 6:00
  10. Company - 4:40
  11. After Hours (Twelve Bars Past Goodnight) - 2:13

◆プロデュース: Lenny Waronker, Russ Titleman

◆参加ミュージシャン: Rickie Lee Jones(vo, g, k, per), Buzzy Feiten/Fred Tackett(g), Neil Larsen/Dr. John/Randy Kerber(k), Randy Newman(sy), Victor Feldman(k, ds, per), Willie Weeks(b), Steve Gadd/Andy Newmark/Jeff Porcaro(ds), Tom Scott/Ernie Watts(horn), Nick DeCaro(accordion, orch ar), Leslie Smith/Michael McDonald(bv), etc

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