Eye To Eye / Eye To Eye (1982年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Eye To Eyeの1982年のアルバム『Eye To Eye』の紹介です。

Eye To Eye / Eye To Eye (1982年) フロント・カヴァー

Eye To Eyeはイギリス人の男性キーボーディストであるJulian Marshallとアメリカ人の女性シンガーであるDeborah Bergによるユニット。本作は、Eye To Eyeのファースト・アルバムである。

Julian Marshallは以前にもMarshall Hainという男女ユニットを組んで活動しており、78年に『Free Ride』というAOR作を残している。従って、このEye To Eyeは2度目の男女ユニットということになる。

本作のプロデュースは、Steely Danのプロデューサーとして知られるGary Katzが担当した。また、本家のDonald Fagen(sy)やElliott Randall(g)を始め、Chuck Rainey(b)やJeff Porcaro(ds)など、Steely Danのアルバムに馴染みのプレイヤーが参加しており、本家に劣らぬクールな質感のサウンドになっている。

全曲が二人のオリジナルで、このうちポップでキャッチーな「Nice Girls」はシングル・カットされ、Billboard Hot 100チャートの37位をマークした。

この曲の終盤のクールなシンセはDonald Fagenのようだが、実際はIan Underwood。Donald Fagenはラストの「On The Mend」のみに参加し、終盤で「I.G.Y.」を彷彿とさせる知的なシンセ・ソロを弾いている。

Jeff Porcaroは6曲(1-3, 5-7)でドラムスを担当した。「Progress Ahead」でのシャッフルは、Steely Danの「Home At Last」のPurdieシャッフルを思わせる。

Deborah Bergの透明度の高い美声にはどこかミステリアスな響きがある。Eye To Eyeのサウンドが幻想的で、独特の緊張感を持っているのは彼女の歌声によるところが大きいだろう。

このアルバムの淡い色彩のジャケットも幻想的。右下の隅をよく見ると、淡いピンクの字で「あぃ とぅ あぃ」と控え目に書かれており、ほっこりする。

●収録曲
  1. Hunger Pains - 4:01
  2. Life In Motion - 4:17
  3. Nice Girls - 5:11
  4. More Hopeless Knowledge - 4:09
  5. Progress Ahead - 3:50
  6. Physical Attraction - 4:26
  7. Time Flys - 5:11
  8. On The Mend - 4:24

◆プロデュース: Gary Katz

◆参加ミュージシャン: Julian Marshall(k), Deborah Berg(vo)
with Rick Derringer/Elliott Randall/Dean Parks(g), Donald Fagen(sy), Ian Underwood(k), Chuck Rainey/Abraham Laboriel(b), Jeff Porcaro/Jim Keltner(ds), Starz Vanderlocket(per), Timothy B. Schmit(bv)

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