Larsen-Feiten Band / Larsen-Feiten Band (1980年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Larsen-Feiten Bandの1980年のアルバム『Larsen-Feiten Band』の紹介です。

Larsen-Feiten Band / Larsen-Feiten Band (1980年) フロント・カヴァー

Larsen-Feiten Bandは、キーボード奏者のNeil LarsenとギタリストのBuzzy Feitenが結成したR&B/ブルー・アイド・ソウルの名グループ。メンバーは5人で、他のメンバーはLenny Castro(per), Art Rodriguez(ds), Willie Weeks(b)。全員が腕のあるセッション・ミュージシャンである。

本作は彼等のデビュー・アルバムで、プロデュースをTommy LiPuma、レコーディングとミキシングをAl Schmittが担当した。二人はフュージョン/AORの洗練されたアルバムを数多く手がけた名コンビ。また、セピア調のシックなカヴァー・アートは巨匠Norman Seeffの手によるものた。

曲作りの半分(3, 4, 7, 8)をNeil Larsen、残りをBuzzy Feitenが担当し、クールなメロディを安定感抜群の演奏で聴かせる渋いナンバーを揃えている。Buzzy FeitenのドライなギターにNeil Larsenの軽やかなオルガンが絡むサウンドは独特で、とても洒落ている。

1曲目の「Who'll Be The Fool Tonight / 今夜はきまぐれ」はシングル・カットされ、Billboard Hot 100チャートの29位をマーク。歌っているのはBuzzy Feitenだ。

Neil Larsenの書いた曲のうち、「Further Notice」と「Aztec Legend / アステカの伝説」はインスト曲。「Further Notice」はNeil Larsenらしい軽快なナンバーだが、重たいベース・ラインが印象的な「アステカの伝説」はミステリアス。夏の終わり、秋の気配を感じる頃に合いそうなロマンティックな響きがある。

Neil LarsenとBuzzy Feitenは70年代前半にFull Moonというバンドで活動しており、72年に唯一のアルバム『Full Moon』を残している。こちらも名盤と呼ぶに相応しい内容で、2016年8月にリマスタリングされたCDとLPがTower Recordsから再発されており、お薦め。

●収録曲
  1. Who'll Be The Fool Tonight / 今夜はきまぐれ - 4:10
  2. Danger Zone - 5:03
  3. Further Notice - 3:34
  4. Over - 5:09
  5. She's Not In Love / 彼女はフリー - 4:40
  6. Morning Star - 5:20
  7. Make It - 4:27
  8. Aztec Legend / アステカの伝説 - 4:46

◆プロデュース: Tommy LiPuma

◆参加ミュージシャン: Neil Larsen(k, vo), Buzzy Feiten(g vo), Lenny Castro(per, bv), Art Rodriguez(ds), Willie Weeks(b)

with Larry Williams/Kim Hutchcroft(sax), etc

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