Chris Rainbow / White Trails (1979年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Chris Rainbowの1979年のアルバム『White Trails』の紹介です。

Chris Rainbowはスコットランド生まれのロック・シンガー。Alan Parson's Projectのヴォーカリストとして知られており、1979年のアルバム『Eve / イヴの肖像』から87年の『Gaudi』まで、Alan Parson's Projectの全てのアルバムに参加して、リード・ヴォーカルやバック・ヴォーカルを担当した。
Alan Parson's Projectは曲によって歌い手を変えており、ヒット曲のほとんどを歌うEric Woolfsonを主軸に、Lenny ZakatekやChris Rainbow、Colin Blunstoneなどが曲の表情に合わせて交代で担当している。Eric Woolfsonの歌声は、ふくよかでハスキーで温もりのあるタイプ。Chris Rainbowの歌声はそれと対照的な、澄み切った美声である。
Chris Rainbowは70年代の後半にソロ活動をしており、3枚のソロ・アルバムを残している。この『White Trails』は3作目。収録された曲は全てChrisのオリジナルであり、持ち前の美声だけでなく、ポップなソング・ライティングの才能が遺憾なく発揮されている。
バックを固めるミュージシャンは英国の実力派揃い。Max Middleton(k), Mo Foster(b), Simon Phillips(ds)など、Jeff Beck人脈も参加している。
Chrisは自分の声を多重録音してコーラスを作っており、特にタイトル曲「White Trails」における厚みのある荘厳なコーラスと、続く「In Love With Love」における美しく繊細なコーラスは聴きモノ。丁寧で緻密な仕上がりにChrisの職人気質を感じる。
山下 達郎の抜けるように爽やかな多重コーラスではなく、Chris Rainbowのは柔らかくてメロウ。英国らしい湿り気や奥ゆかしさもある。「In Love With Love」の後半には鈴の音も入っていて、少し早いクリスマス気分ですね。
- ●収録曲
- Love You Eternally - 3:31
- Don't Take The Night Away - 4:47
- Song Of The Earth - 3:49
- Be Like A Woman - 4:17
- Ring Ring - 3:07
- Streetwise - 3:38
- White Trails - 5:52
- In Love With Love - 6:51
◆プロデュース: Chris Rainbow
◆参加ミュージシャン: Ian Bairnson/Mart Jenner(g), Max Middleton(k), Dave Lawson(sy), Mo Foster(b), Pete Zorn(b, sax), Simon Phillips(ds), Dick Morrissey(sax, Flute), Linda Taylor(bv), etc
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