Felix Cavaliere / Castles In The Air (1979年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Felix Cavaliereの1979年のアルバム『Castles In The Air』の紹介です。
Felix Cavaliereは元The Rascalsのキーボード奏者、ヴォーカリスト、ソングライターを務めた中核メンバー。The Rascalsは60年代後半から70年代初めにかけて活動したブルー・アイド・ソウルの名グループで、「Groovin'」などのヒットで知られる。
本作はFelix Cavaliereの3枚目のソロ・アルバムで、共作も含めて全曲がFelix Cavaliereの作。このうち「People Got To Be Free / 自由への讃歌」は、The Rascalsの69年のアルバム『Freedom Suite / 自由組曲』に収められた全米No.1ヒット曲のセルフ・カヴァーである。
Felix Cavaliereは優れたメロディ・メイカーだ。本作に収録されたどの曲もメロディが瑞々しく、ポップでキャッチー。
胸がキュンとするような甘酸っぱいメロディの「Only A Lonely Heart Sees / ロンリー・ハート」はシングル・カットされ、Billboard Hot 100チャートの36位を記録。他にも、「Good To Have Love Back / 愛が帰る時」や「Castles In The Air」、「Love Is The First Day Of Spring / 愛は春のはじめに」など、ポップな良曲が並ぶ。
ソウルフルで独特の浮遊感のあるヴォーカルも曲調に合っており、聴いていて心地よい。参加ミュージシャンはJazz/Fusion系の一流どころで固められ、演奏もしっかりだ。The Rascalsで一緒に活動したEddieとDavidのBrigati兄弟もバック・ヴォーカルで参加している。
Felix Cavaliereはソロ活動では大きなヒットに恵まれなかった。また80年代にはソロ・アルバムを制作しておらず、次作『Dreams in Motion』がリリースされたのは94年である。寡作だが、今も活動を続けている。
このアルバムのCDは、ソニーの「AOR CITY 1000」シリーズから2016年8月に再発されている。ブルー・アイド・ソウル好きにお薦めだ。
- ●収録曲
- Good To Have Love Back / 愛が帰る時 - 3:53
- Only A Lonely Heart Sees / ロンリー・ハート - 3:50
- All Or Nothing - 3:21
- Castles In The Air - 3:34
- People Got To Be Free / 自由への讃歌 - 3:44
- Dancin' The Night Away - 4:14
- Love Is The First Day Of Spring / 愛は春のはじめに - 4:23
- Outside Your Window - 3:13
- Don't Hold Back Your Love - 4:09
- You Turned Me Around - 4:28
◆プロデュース: Felix Cavaliere(vo, k), Cengiz Yaltkaya
◆参加ミュージシャン: Buzzy Feiten/Hiram Bullock/Steve Khan/Vinnie Cusano(g), Will Lee/Marcus Miller(b), Steve Jordan(ds), Randy Brecker(Flugel Horn), David Lasley/Luther Vandross/Eddie Brigati/David Brigati(bv), etc
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