Steve Eaton / Steve Eaton (1979年) – アルバム・レビュー

2024年1月7日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Steve Eatonの1979年のアルバム『Steve Eaton』の紹介です。

Steve Eaton / Steve Eaton (1979年) フロント・カヴァー

Steve Eatonは、70年代初頭のFat ChanceというグループにBill LaBountyと共に在籍したシンガー・ソングライター。"fat chance" は、「ありえない」「まさか」という意味らしい。このグループは1972年にアルバムを一枚だけ残して解散してしまった。

本作は、Steve Eatonの2枚目のソロ・アルバム。"同じグループに在籍" という先入観からそう思うのかも知れないが、このアルバムの穏やかな雰囲気や癒しのサウンドにはBill LaBountyのアルバムと共通するものを感じる。違いがあるとすれば、心温まる人情系の曲や歌が魅力のBill LaBountyと比べて、Steve Eatonの方はややサウンド指向なのかも。

収録曲は全てSteve Eatonの作詞・作曲。ポップでキャッチーな「Got Me Moanin'」、静かなアコースティック・ナンバーの「Rakin' Leaves in the Wind」、軽快でグルーヴィーな「All in Love say "I"」、ジャジーで粋な「Where Do I Fit In」、メロウ・ソウルの「Without You」、シンガー・ソングライター然とした「Your Not a Hero」など、サウンドの表情は多彩。

どの曲もメロディが瑞々しく、上品にアレンジされており、聴き心地がとてもいい。

本作は2000年にヴィヴィド・サウンドから世界初CD化され、未発表の4曲がボーナス・トラックに収録された。2023年にはPヴァイン・レコードからもボーナス・トラックを6曲に増やした生産限定紙ジャケット仕様でCDが再発されている。

74年のファースト・アルバム『Hey Mr. Dreamer』にはCarpentersのカヴァーした「All You Get From Love Is A Love Song / ふたりのラヴ・ソング」や、Art Garfunkelのカヴァーした「Rag Doll」が収録されている。こちらはヴィヴィド・サウンドから95年に世界初CD化されたが希少盤になっている。

●収録曲
  1. Got Me Moanin' - 2:28
  2. Rakin' Leaves in the Wind - 3:10
  3. All in Love say "I" - 4:10
  4. Hurricanes and Tornadoes - 4:05
  5. Where Do I Fit In - 2:31
  6. Old, Smart, Big, and Kind - 2:53
  7. Without You - 3:40
  8. Never Knew a Pain - 3:10
  9. Friendly Stealer - 3:30
  10. Your Not a Hero - 4:00

◆プロデュース: Frank Marshall, Steve Eaton

◆参加ミュージシャン: Steve Eaton(vo, g, k, harmonica), Phil Marshall(g, bv), Steve Lukather(g), Jim Cox/Jai Winding(k), Lee Sklar/Matt Marshall(b), John Ferraro/Mike Baird(ds), Steve Forman(per), Cindy Fee(bv), etc

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