The Bee’s Knees / Pure Honey (1979年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、The Bee's Kneesの1979年のアルバム『Pure Honey』の紹介です。

The Bee's Knees / Pure Honey (1979年) フロント・カヴァー

The Bee's Kneesは、テキサス州のダラスで活動していた男性3人組。メンバーは、Roger Burton, Jerry Jackson, Michael Paulsonの3人で、1978年と79年にアルバムを1枚ずつ残している。

どちらも自主制作のようだが、ライト&メロウの王道を行く魅力的なサウンド。フロント・カヴァーでは、美味しそうな純蜜で一杯のボトルがオレンジの光を反射しているが、彼らのサウンドはこの蜜のように甘美でナチュラル。また、ボトルのラベルに描かれた南国の木が象徴するように、爽やかな風を運んでくれる。

2004年にはダラスから遠く離れた日本でCD化され、アルバム制作から40年近く経とうとする今もAmazonではCDが購入できるし、こうしてショート・レビューを書く日本人までいる。

さて、この『Pure Honey』は彼らのセカンド・アルバム。収録された9曲は、Tony Joe White作の有名曲「Rainy Night In Georgia」とバック・メンバーのRusty Lewisが書いた1曲(5)を除いてメンバー3人のオリジナル。Roger Burtonが5曲(1, 2, 3, 7, 8)、Jerry Jacksonが1曲(9)、Michael Paulsonが1曲(4)を分担し、それぞれリード・ヴォーカルを取っている。

「All My Love」や「You & I」などで聴くことのできるRoger Burtonの歌声は、Kalapana~Macky Feary BandのMacky Fearyと似ており、人肌のぬくもりのある甘い声がとてもロマンティック。Rogerと比べるとJerryとMichaelの歌声は素朴で荒削りな感じだが、Jerryの歌うラストのバラード「I Can See The Child」などは、しみじみと良い。

2004年に発売されたCDには、ボーナス・トラックの扱いで彼らのファースト・アルバム『The Bee's Knees』から8曲が収録されている。実際にはもう1曲あるのだが、”マスターテープの状態が収録に耐え得る度を越していた” という理由で見送られた。実際に8曲を聴いてみると、確かにそういうところもある。

ファースト・アルバムも、本作の助走となるナチュラルでまろやかな音。なお、自主制作とは言え、AORの名作『Ports Of The Heart』で知られるJimmie Spheerisが参加している。

●収録曲
  1. Starry Eyes
  2. Winnin' & Losin'
  3. All My Love
  4. Slip Away
  5. Smile
  6. Rainy Night In Georgia
  7. Wasted
  8. You & I
  9. I Can See The Child

◆プロデュース: Larry Wallance(ag, per, bv), Michael Paulson, The Bee's Knees

◆参加ミュージシャン: Roger Burton(vo, g), Jerry Jackson(vo, g, p), Michael Paulson(vo, per)
with Anson Funderburgh/Patrick Darling(g), Rusty Lewis(k, ag, bv), Richard Bannister(b), DC Dancan(ds), Randy Lee(sax), etc

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