Karla Bonoff / Restless Nights (ささやく夜) (1979年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Karla Bonoffの1979年のアルバム『Restless Nights / ささやく夜』の紹介です。

Karla Bonoff / Restless Nights (ささやく夜) (1979年) フロント・カヴァー

Karla Bonoffはカリフォルニア生まれのシンガー・ソングライター。Linda Ronstadtが76年の名作『Hasten Down the Wind』でKarlaの曲(「Lose Again」「If He's Ever Near」「Someone to Lay Down Beside Me」)を歌ったことで、その名を知られるようになった。Linda Ronstadtは89年作『Cry Like a Rainstorm』でもKarlaの「All My Life」「Trouble Again」「Goodbye My Friend」の3曲を歌っている。

Karla Bonoffは寡作であり、スタジオ・アルバムをこれまでに4枚しか出していない。本作はセカンド・アルバムで、彼女の代表作として挙げられることの多い傑作だ。

本作のプロデュースは、Karlaの旧友であるKenny Edwardsが担当した。
KarlaとKennyは、Andrew GoldとWendy Waldmanを加えた4人でBryndleというバンドを組んでいた。本作にはそのBryndleの全員の他にDon HenleyやJ.D. Souther、James Taylorなどの豪華な顔ぶれが参加し、心温まる特別な空間を彼女のために作っている。

収録曲はJackie DeShannon作の「When You Walk in the Room」とトラディショナル・ソングの「The Water Is Wide」を除いてKarlaのオリジナル。このうち、「Trouble Again」と「Baby Don't Go」はKennyとの共作である。

ロック調の曲としっとりした曲を交互に織り交ぜたアルバム構成で、「Trouble Again」や「When You Walk in the Room」、「Baby Don't Go」や「Loving You」は明るいロック調。これらの曲にはウェストコースト・サウンドの爽やかさと、陽だまりのような暖かさがある。

一方、「Restless Nights」、「The Letter」、「Only a Fool」はしっとりとしたバラード系。こうした静かな曲を歌う時にこそ、彼女の独特の良さが表れる。

タイトル曲の「Restless Nights」は、えもいわれぬ気品と女性らしい色香が漂う名曲。続く「The Letter」は、彼の部屋で別の女性の手紙を見つけてしまったときの心境を歌ったもの。Don Grolnickの美しいエレピをバックに静かに歌うKarlaの声が切ない。届かなかった想いをしっとりと歌う「Only a Fool」も切ない曲だ。

ラストの「The Water Is Wide」は絶品。James Taylorがアコースティック・ギターをつま弾き、The BandのGarth Hudsonがアコーディオンで伴奏する。そして、James TaylorとJ.D. Southerの優しいコーラスに包まれて、Karlaが穏やかに歌う。しみじみとした郷愁を残す、感動のエンディングだ。

●収録曲
  1. Trouble Again / 涙に染めて - 3:37
  2. Restless Nights / ささやく夜 - 5:18
  3. The Letter / 手紙 - 2:47
  4. When You Walk in the Room / 眩しいひと - 3:00
  5. Only a Fool / ただひとり思い - 6:07
  6. Baby Don't Go - 3:19
  7. Never Stop Her Heart / 静かに燃えて - 4:49
  8. Loving You - 3:26
  9. The Water Is Wide / 悲しみの水辺 - 4:56

◆プロデュース: Kenny Edwards(b, bv)

◆参加ミュージシャン: Karla Bonoff(vo, ag, p), James Taylor(ag, bv), Andrew Gold(g, k, per, bv), Danny Kortchmar/Waddy Wachtel(g), David Lindley(ag), Don Grolnick(k), Russ Kunkel/Rick Marotta(ds), Steve Forman(per), Garth Hudson(accordion), Don Henley/J.D. Souther/Wendy Waldman/Jackie De Shannon(bv), etc

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