Paul Anka / Headlines (1979年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Paul Ankaの1979年のアルバム『Headlines』の紹介です。

Paul Anka / Headlines (1979年) フロント・カヴァー

Paul Ankaはカナダ出身のシンガー・ソングライター。「Diana」(57年, 米2位)、「Lonely Boy」(59年, 米1位)、「Put Your Head On My Shoulder」(59年, 米2位)、「Puppy Love」(60年, 米2位)などの大ヒット曲の作者であり、Frank Sinatraの代表曲である「My Way」の英詩を担当したことでも知られる。

60年代初めまでに隆盛を極めた大スターというイメージがあるが、その後も精力的に曲やアルバムを制作し、「(You're) Having My Baby」(74年, 米1位)のヒットによって70年代中盤のチャートに復帰。時流を捉える感度が高く、同郷のDavid Fosterのフレッシュな才能にもその頃から注目し、アルバム制作に起用していた。

本作『Headlines』は、Paul AnkaがDavid Fosterを大きく起用した最初の作品。Fosterがリズム・アレンジを担当したタイトル曲「Headlines」ではタイプライターの効果音を巧みに使うなど、時流を意識したエレガントなポップ・ロック・サウンドになっている。ちなみに、この曲ではPaul Anka本人が実際にタイピングをした。

共作も含めて全曲がPaul Ankaのオリジナル。Paul Ankaらしい甘美なバラードの「Andi」とメロディの瑞々しい「Life Song」以外を共作している。

穏やかな曲調の「As Long As We Keep Believing」は、優れたソングライターのBarry Mann & Cynthia Weil夫妻との共作。シングル・カットされ、ACチャートでは29位をマークした。

David Fosterとは「Never Get To Know You」と「Learning To Love Again」の2曲を共作。フレッシュなロック・サウンドと美しいバラードの組み合わせだが、どちらも華やかなオーケストレーションで包まれており、とてもエレガントな仕上がり。

「Learning To Love Again」は、David Fosterの83年のファースト・ソロ・アルバム『The Best Of Me』に収録の美しいインスト曲「The Dancer / 氷上のダンサー」の原曲と言われている。聴き比べると面白い。

●収録曲
  1. Headlines - 4:54
  2. As Long As We Keep Believing - 3:40
  3. Andi - 3:33
  4. Never Get To Know You - 6:34
  5. Learning To Love Again - 5:28
  6. I Can't Get Over You - 3:29
  7. Together Again - 3:00
  8. Life Song - 3:20
  9. Leave It All To Me - 5:30

◆プロデュース: Michael DeLugg, Paul Anka(vo)

◆参加ミュージシャン: Fred Tackett/Jay Graydon/Larry Carlton(g), John Pierce/Mike Porcaro/Neil Stubenhaus(b), David Foster/Neil Larsen/Terry Trotter(k), Michael Boddicker(sy), Mike Baird/Rick Shlosser(ds), Joe Porcaro/Victor Feldman(per), Tom Scott(sax), Chuck Findley(tp), Adam Mitchell/Jim Haas(bv), etc

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