Pages / Future Street (1979年) – アルバム・レビュー

2023年5月5日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Pagesの1979年のアルバム『Future Street』の紹介です。

Pages / Future Street (1979年) フロント・カヴァー

Pagesは、Richard PageとSteve Georgeの2人を中心とするグループ。メンバーは5人で、1978年のデビュー・アルバム『ファースト・ペイジス』では、Peter Leinheiser(g), Jerry Manfredi(b), Russ Battelene(ds)が残りのメンバーであった。この『Future Street』は2作目で、ギタリストがCharles "Icarus" Johnsonに、ドラマーがGeorge Lawrenceに代わっている。

彼らの作る音楽は、ポップ、ソウル、ジャズ、フュージョンといった多様な要素を緻密に織り込んで、じっくり熟成したような味わいのハイ・センスなロック・ミュージック。演奏はテクニカルで洗練されており、Richard PageとSteve Georgeの透明感のある美しいハーモニーも魅力。

本作の収録曲は、共作も含めて全て彼らのオリジナル。このうち、爽やかなロック・ナンバーの「I Do Believe In You」がシングル・カットされ、Billboard Hot 100チャートの84位をマークした。この曲は、Americaの80年のアルバム『Alibi』でカヴァーされている。

「Who's Right, Who's Wrong」はKenny LogginsとRichard Pageの共作。Kenny Logginsも79年のアルバム『Keep The Fire』でこの曲をカヴァーし、そこではMichael JacksonとRichard Pageがバック・ヴォーカルを担当している。

「The Sailor's Song」はPagesらしい知的でメロウな味わいの曲。途中から次第に複雑な構成を見せていき、間奏のCharles "Icarus" Johnsonのギター・ソロもかなりの速弾きだ。「Chemistry」ではさらに高度なアンサンブルになり、ほとんどジャズ・ロック。

大半の曲でRichard Pageがリード・ヴォーカルになっているが、「Two People」ではSteve Gerogeが担当。声が似ているので、クレジットを見ないと分からない。二人はヴォーカル・ユニットとしても活躍していて、様々なアーティストの曲で、息の合った美しいバック・ヴォーカルを聴くことができる。

Pagesには作詞を専門に担当するJohn Langという隠れメンバーがいて、曲作りを支えている。JohnはRichard Pageのいとこ。Pagesの解散後、RichardとSteveは新たにMr.Misterを結成し、85年に「Broken Wings」と「Kyrie」という2曲の全米No.1ヒットを生むが、その作詞もJohn Langが担当している。

●収録曲
  1. I Do Believe In You - 4:02
  2. The Sailor's Song - 4:20
  3. Take My Heart Away - 3:46
  4. Future Street - 4:10
  5. Who's Right, Who's Wrong - 4:19
  6. Chemistry - 5:16
  7. Two People - 4:25
  8. Keep On - Movin' 4:02

◆プロデュース: Bobby Colomby(per)

◆参加ミュージシャン: Richard Page(vo, k, sy), Steve George(k, sy, vo), Charles "Icarus" Johnson(g), Jerry Manfredi(b), George Lawrence(ds), John Lang(lyrics)
with Kenny Loggins(vo), Joey Trujillo(g), Jai Winding(k), Michael Brecker(sax), Chuck Findley/Jerry Hey/Larry Williams(horns), Don Alias(per), Russell Battelene(ds), etc

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