Randy VanWarmer / Warmer (アメリカン・モーニング) (1979年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Randy VanWarmerの1979年のアルバム『Warmer / アメリカン・モーニング』の紹介です。

Randy VanWarmer / Warmer (アメリカン・モーニング) (1979年) フロント・カヴァー

Randy VanWarmerはコロラド州デンヴァー出身のシンガー・ソングライター。15歳の時に家族と移住したイングランドでソングライターの活動をスタートしており、デビュー・アルバムを発表する直前の78年まで、イングランドで暮らした。

『Warmer / アメリカン・モーニング』は、そのデビュー作。VanWarmerが24歳になる年に発表されたアルバムで、歌声にはまだ初々しさが残る。収録曲は全て自作であり、ここから「Just When I Needed You Most」がBillboard Hot 100チャートの4位となる大ヒットを記録した。

「Just When I Needed You Most」は、一度聴いたら忘れられない親しみやすいメロディを備えたナンバー。甘く爽やかなメロディには「アメリカン・モーニング」というロマンティックな邦題が付いたが、内容は失恋の歌。"You left me just when I needed you most" (一番必要としていた時に、君は僕を捨てた) と歌う。

VanWarmerは優れたソングライターだ。「Gotta Get Out Of Here」や「I Could Sing」のようなアップ・テンポのナンバーも、メロディが整っていて、とても聴きやすい。「Deeper And Deeper」に関しては、本作よりも早く、アメリカのフォーク・シンガーのGene Cottonが76年のアルバム『Rain On』で歌っている。

このアルバムにはもう1曲、「The One Who Loves You」という美しいバラードがある。"Here is the one who loves you" (君を愛する男はここにいるよ) というロマンティックな内容で、メロディは「アメリカン・モーニング」のように繊細。

本作の瑞々しいアコースティック・サウンドには、ブリティッシュ・フォークのような独特の湿り気や陰りがあるようで、初期のBee Geesを思い出す。また、VanWarmerの繊細な歌声も、Bee Geesの美しいファルセットを思わせるところがある。アメリカンというよりは、ブリティッシュらしさを感じるアルバムだ。

●収録曲
  1. Losing Out On Love - 3:04
  2. Just When I Needed You Most / アメリカン・モーニング - 3:59
  3. Your Light - 4:02
  4. Gotta Get Out Of Here - 3:01
  5. Convincing Lies - 3:31
  6. Call Me - 4:24
  7. Forever Loving You - 3:19
  8. Deeper And Deeper - 3:47
  9. I Could Sing - 3:17
  10. The One Who Loves You - 4:34

◆プロデュース: Del Newman(string ar), John Holbrook(g, k, per), Ian Kimmet(per)

◆参加ミュージシャン: Randy VanWarmer(vo, g), Steve Gibson/Mick Barakan/John Tropea(g), Shane Keister/Warren Bernhardt(k), Jack Williams/Tony Levin(b), Kenny Malone/Steve Jordan(ds), John Sebastian(Auto Harp), etc

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