Michael Johnson / Dialogue (1979年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Michael Johnsonの1979年のアルバム『Dialogue』の紹介です。
Michael Johnsonは、コロラド生まれのシンガー・ソングライター。ライターよりはシンガー寄りの活動スタンスで、アコースティックな風合いの安らぎの曲を丁寧に歌うイメージがある。
この『Dialogue』は5枚目のアルバム。1978年に発表された前作の『The Michael Johnson Album』では、プロデュースをSteve GibsonとBrent Maherが担当し、Bill LaBounty, Tom Snow, Randy Goodrum, Eric Kaz等、AOR好きには馴染みのライターの曲を数多く歌っている。その中から、Randy Goodrumの書いた「Bluer Than Blue」がBillboard Hot 100チャートの12位になり、キャリア最大のヒットを記録した。
本作も、前作の方向性を踏襲したAOR寄りの内容。プロデューサーやソングライターの顔ぶれは前作と同じで、さながら「切ないアコースティック名曲集」といった趣きの素晴らしい選曲になっている。
1曲目の「This Night Won't Last Forever」は、Bill LaBountyの78年のアルバム『This Night Won't Last Forever / 涙は今夜だけ』のタイトル曲。この曲は本作からのファースト・シングルとなり、Billboard Hot 100チャートの19位を記録。4曲目の「Drops Of Water」もBill LaBountyの作で、同じ年に発表されたBillのアルバム『Rain In My Life』に収録された。
「Let This Be A Lesson To You」「I'll Always Love You」「Dialogue」の3曲はTom Snowの作。このうちの「I'll Always Love You」はTom SnowとEric Kazの共作で、しっとりとした情感のあるメロディをMichael Johnsonが優しく歌うアコースティックの名品。繊細なストリングスがとても美しい。
穏やかなバラードの「The Very First Time」と「Doors」はRandy Goodrumの作。前作の「Bluer Than Blue」もそうだが、上品な美しいメロディはRandy Goodrumの得意とするところ。「Doors」に関しては、Randy Goodrumも92年のアルバム『An Exhibition / キリング・タイム』でセルフ・カヴァーしている。
「She Put The Sad In All His Songs」はRobert ByrneとMac McAnallyの共作。タイトルに相応しいもの哀しさのあるスローなナンバーで、Robert Byrneも同じ年のアルバム『Blame It On The Night / ワン・ナイト・ロマンス』に収録。そして、Parker McGeeの76年のアルバム『Parker McGee』からセレクトした「I Just Can't Say No To You」も切ない。原曲はBillboardのAdult Contemporaryチャートで7位を記録している。
静かに癒されたいときに、とてもおすすめのアルバム。Michael Johnsonは80年代中頃からカントリー・シーンで大活躍し、カントリー・チャートのTop 10ヒットを5曲生んでいる。その後も活動を続けるが、2017年に72歳で他界。サイトは mjblue.com という名前で、ヒット曲の「Bluer Than Blue」が名刺代わりになっている。
- ●収録曲
- This Night Won't Last Forever - 3:59
- Let This Be A Lesson To You - 3:30
- The Very First Time - 3:11
- Drops Of Water - 3:18
- I'll Always Love You - 3:49
- Doors - 3:09
- Blackmail - 4:46
- She Put The Sad In All His Songs - 3:31
- I Just Can't Say No To You - 3:14
- Dialogue - 4:25
◆プロデュース: Brent Maher, Steve Gibson(g)
◆参加ミュージシャン: Michael Johnson(vo, g), Jon Goin(g), Randy Goodrum(k, bv), Shane Keister/Tom Snow(k), Jack Williams(b), Kenny Malone(ds), Michael Brecker/David Sanborn(sax), etc
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