Robert Byrne / Blame It On The Night (1979年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Robert Byrneの1979年のアルバム『Blame It On The Night / ワン・ナイト・ロマンス』の紹介です。
Robert Byrneは、アメリカのマッスル・ショールズを拠点に活動したシンガー・ソングライター。哀愁味を湛えたメロウな曲を書くライターで、アルバムにもそうした曲が多く、とてもロマンティック。この『Blame It On The Night』は、Robert Byrneの唯一のソロ・アルバムである。
Robert Byrneには、同じマッスル・ショールズで活動するマルチ・プレイヤーのBrandon Barnesと制作した、Byrne & Barnes名義のアルバム『An Eye For An Eye / スウィート・リヴェンジ』(81年)もある。そちらも文句なしの名作で、楽曲のクオリティは甲乙つけがたい。
本作の収録曲は、共作も含めて全てRobert Byrneのオリジナル。ダンサブルな1曲目「Baby Fat」はさすがに浮いているけど、それ以外はRobert Byrneらしいメロウでロマンティックな曲が収録されている。他のアーティストにカヴァーされた曲も多い。
メロウネスが豊かに香り立つようなタイトル曲「Blame It On The Night」は、Robert Byrneの真骨頂。少しナイーヴな印象のマイルドな歌声、男性コーラス・ワークの美しさ、乾いたギターの音色にうっとりする。ハワイのAORグループのFabulous Krushがアルバム『Fabulous Krush』(79年)でこの曲をカヴァーした。
続く「That Didn't Hurt Too Bad」も、ロマンティック・ムード満点。こちらは、Funky Communication Committee (FCC)のデビュー作『Baby I Want You』(79年)や、Dr. Hookのアルバム『Rising』(80年)でカヴァーされている。
他には、「No Love In The Morning」がCaptain & Tennilleのアルバム『Make Your Move』(79年)でカヴァーされたほか、Mac McAnallyと共作したラストの「She Put The Sad In All His Songs」も、Michael Johnsonのアルバム『Dialogue』(79年)でカヴァーされた。
この "She Put The Sad In All His Songs" は、ワン・フレーズをそのままタイトルにしたみたいな曲。とろけるように甘いバラードの「Tell Me It's Over One More Time」も、魅力的なフレーズをタイトルにしており、興味をそそられる。
9枚のポラロイド写真を並べたジャケットは、まさに "ワン・ナイト・ロマンス" の雰囲気。Byrne & Barnes名義の『An Eye For An Eye』のジャケットは、"目には目を" というタイトルをデザインしたもので、鮮やかなブルーが美しく、ひときわ目を惹く。
- ●収録曲
- Baby Fat - 4:12
- Blame It On The Night / ワン・ナイト・ロマンス - 3:45
- That Didn't Hurt Too Bad - 3:06
- Pretend He's Me - 3:11
- I Did It All For Love / オール・フォー・ラヴ - 3:38
- No Love In The Morning - 3:41
- Tell Me It's Over One More Time / ワン・モア・タイム - 3:08
- Southern Gun - 3:52
- You And Me - 3:33
- She Put The Sad In All His Songs - 3:30
◆プロデュース: Clayton Ivey(k, string ar), Terry Woodford
◆参加ミュージシャン: Robert Byrne(vo, g, k), Mac McAnally(g, bv), Larry Byrom(g), Bob Wray(b), Roger Clark(ds), Jim Horn(wood winds), Lenny LeBlanc(bv), etc
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