Tommy Coomes / Love Is The Key (1981年) – アルバム・レビュー

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Tommy Coomesの1981年のアルバム『Love Is The Key』の紹介です。

Tommy Coomes / Love Is The Key (1981年) フロント・カヴァー

Tommy Coomesは、Contemporary Christian Music(CCM)フィールドで活躍するミュージシャン。1970年に結成された「Love Song」というCCMの草分け的グループの創設メンバーであり、ギターとリード・ヴォーカルを担当するかたわら、CCMのアーティストをプロデュースしたり、近年はTommy Coomes Bandを率いて音楽活動をするなど、幅広く活動している。

この「Love Is The Key」は、Tommy Coomesの唯一のソロ・アルバム。KOINONIAを結成したてのHarlan Rogers(k)と共同でプロデュースをしており、KOINONIAからはHadley Hockensmith(g)とJohn Phillips(sax)も参加している。また、Love SongからもChuck Girard(bv)が参加。収録曲は全てTommy Coomesのオリジナルだが、1曲(5)はChuck Girardとの共作になっている。

渋く落ち着いた味わいのタイトル曲「Love Is The Key」、リラックスした極上のメロウ・チューン「I Owe Everything To You」、Bruce Hibbardの作る曲のように軽快で爽やかな「The Pleasure's Mine」、穏やかなバラードの「Hidden Treasure」など、心地よいAORナンバーが続く。

讃美歌のような「Singing Our Praises To Jesus」を聴くまでは、CCMのアルバムであることを忘れてしまうほどポップでメロウ。Tommy Coomesのソフトなテナー・ヴォイスも心地いい。

後半には、陽気でトロピカルな「Thinkin' Of You」やファンキーな「A Faithful Witness」もあって、サウンドは多彩。「He's A Liar」の曲調やホーンの使い方は、まるでSteely Danみたいにクールで渋い。

2001年に日本で初CD化された際は、オリジナルのジャケットが使われた。Tommy Coomesは人の良いおじさんといった印象で、穏やかな笑みが和ませてくれる。2年後にアメリカでCD化された際は、知的でカッコいいおじさんのジャケットに差し替えられた。日本盤での差し替えはよくあるが、US盤での差し替えは珍しいかも。

Tommy Coomes / Love Is The Key (1981年) US再発盤フロント・カヴァー
●収録曲
  1. Love Is The Key - 4:04
  2. I Owe Everything To You - 3:37
  3. The Pleasure's Mine - 4:08
  4. Hidden Treasure - 3:13
  5. Singing Our Praises To Jesus - 3:04
  6. Thinkin' Of You - 4:07
  7. A Faithful Witness - 2:55
  8. He's A Liar - 5:58
  9. Don't Be Afraid (Just Walk With Him) - 4:57

◆プロデュース: Tommy Coomes(vo, ag), Harlan Rogers(k, bv, ar)

◆参加ミュージシャン: Hadley Hockensmith/Tony Dean(g), Rob Watson(sy), Jimmy Perez(b), Ron Tutt/Keith Edwards(ds), John Phillips(sax), Chuck Girard/Kelly Willard/Michele Pillar/Phillis St. James/Bili Thedford/Bob Bennett(bv), etc

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