Kenny Rogers / What About Me? (1984年) – アルバム・レビュー

2023年5月5日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Kenny Rogersの1984年のアルバム『What About Me?』の紹介です。

Kenny Rogers / What About Me (1984年) フロント・カヴァー

Kenny Rogersはアメリカのカントリー・ミュージック界の大御所。50年代後半から音楽活動を始め、「Kenny Rogers and The First Edition」などのバンド活動を経たのちにソロに転向した。最初のソロ・アルバムは76年に出されており、本作『What About Me』はスタジオ・アルバムとしては12作目。David Fosterを共同プロデューサーに起用し、80年代の時流のサウンドを捉えたAC(Adult Contemporary)路線の内容となっている。

David Fosterはタイトル曲「What About Me」をKenny Rogersと共同プロデュースした他、3曲(2, 7, 8)のプロデュースを担当。残りの曲をKenny Rogersがプロデュースした。

「What About Me」は、Rogers, Foster, Richard Marxという豪華な顔ぶれが共作した美しいバラード。Rogers, Kim Carnes, James Ingramの3人によるゴージャスなデュエットも実現し、Billboard Hot 100チャートの15位、ACチャートでは1位を記録するヒットとなった。

Richard Marxはソロ・デビュー前だが、この曲の他に「Somebody Took My Love」と「Crazy」の曲作りも手掛けている。

爽やかなポップ・ナンバーの「Somebody Took My Love」はMarxとDavid Pomeranzの共作。ロマンティックなバラードの「Crazy」はMarxとKenny Rogersの共作だ。「Crazy」はセカンド・シングルとなり、Hot 100チャートでは79位どまりだったが、ACチャートの5位、Hot Country Songsチャートでは1位を記録した。

Cindy Feeとデュエットした「I Don't Want To Know Why」もしっとりしたバラードで、収録曲の半分をこうした曲が占めている。

86年のアルバム『They Don't Make Them Like They Used to / 時は流れても』ではJay Graydonが全面的にプロデュースを担当し、本作以上にコンテンポラリーな内容になった。80年代中盤の豊かで華やかな空気が香る快作で、AOR好きや80's洋楽好きにはそちらもお薦めだ。

●収録曲
  1. What About Me - 4:23
  2. The Night Goes On - 4:35
  3. Dream Dancin' - 4:25
  4. Two Hearts One Love - 3:36
  5. I Don't Want To Know Why - 4:06
  6. Didn't We - 3:55
  7. Somebody Took My Love - 3:52
  8. Crazy - 3:43
  9. The Stranger - 3:46
  10. Heart To Heart - 3:42

◆プロデュース: Kenny Rogers, David Foster(k, ar)

◆参加ミュージシャン: James Ingram/Kim Carnes/Cindy Fee(vo), Dann Huff/Paul Jackson Jr./Michael Landau/Fred Tackett(g), Randy Kerber/Tom Keane/John Hobbs/Erich Bulling(k), Nathan East/Neil Stubenhaus/Dennis Belfield(b), Joe Chemay(b, bv), John Robinson/Ed Greene(ds), Sheila E./Steve Forman(per), Richard Marx/Ken Cetera(bv), Jeremy Lubbock(strings ar), etc

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