Robert John / Back On The Street (1980年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Robert Johnの1980年のアルバム『Back On The Street』の紹介です。

Robert John / Back On The Street (1980年) フロント・カヴァー

Robert JohnはNY生まれのシンガー・ソングライター。このブログで紹介したDavid Lasleyと同じく、ファルセット主体で歌うシンガーだ。幼少期からシンガーとして活躍しており、12歳の時には「White Bucks and Saddle Shoes」で早くも全米79位にチャート・インしている。

声変わりをしてからファルセット唱法になり、72年にThe Tokensの「The Lion Sleeps Tonight / ライオンは寝ている」を歌って、全米チャートの3位を記録。さらに、79年のサード・アルバム『Robert John』から「Sad Eyes」が大ヒットし、遂にチャートの1位を獲得した。

この『Back On The Street』は、Robert Johnの4枚目のアルバム。ヒットした前作に続いて、George TobinとMike Piccirilloがプロデュースを担当した。

収録曲のうち、2曲(2, 6)はカヴァー曲。また、Gary GoetzmanとMike Piccirilloのソングライター・チームが4曲(1, 4, 5, 9)を提供し、残りをRobert Johnが書いている。

「Hey There Lonely Girl」は、R&BシンガーのEddie Holmanが69年に歌って全米チャートの2位を記録したスウィート & メロウな曲。山下達郎も78年のライヴ・アルバム『It's A Poppin' Time』で歌っている。もう1つのカヴァー曲「Sherry」は、The Four Seasonsを代表する62年のヒット曲。ファルセット唱法にピッタリの曲だ。本作からはこの2曲がシングル・カットされ、チャートの各々31位と70位をマークした。

綺麗なファルセットを生かした甘めのドリーミーな曲が多いなか、Robert Johnの自作の曲には、「Winner Take All」や「Hurtin' Doesn't Go Away」など、ミディアム・テンポの渋めの曲もある。まるで "ひとりBee Gees" な雰囲気で、とてもメロウ。

なお、タイトル曲「Back On The Street Again」だけは地声メインで歌っている。なかなか爽やかな声なので、地声の曲がもっとあっても良いのにな、と思う。

79年のサード・アルバム『Robert John』はCD化されていないが、92年発売のベスト盤『Greatest Hits』があって、収録曲の半分をサード・アルバムから選曲しており、おすすめ。

●収録曲
  1. (So Long) Since I Felt This Way - 3:35
  2. Hey There Lonely Girl - 3:07
  3. Just One More Try - 3:32
  4. On My Own - 3:30
  5. Give Up Your Love - 3:16
  6. Sherry - 3:10
  7. Winner Take All - 3:53
  8. Hurtin' Doesn't Go Away - 3:41
  9. Back On The Street Again - 4:14
  10. You Could Have Told Me - 3:22

◆プロデュース: George Tobin(ar), Mike Piccirillo(g, k, bv, ar)

◆参加ミュージシャン: Bill Neale(g), Stewart Levin/Bill Cuomo(k), Scott Edwards(b), Craig Crampf/Ed Greene(ds), Joel Peskin(sax), Edna Wright/Darlene Love(bv), etc

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