Nielsen-Pearson / Nielsen-Pearson (1980年) – アルバム・レビュー

2021年10月9日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Nielsen-Pearsonの1980年のアルバム『Nielsen-Pearson』の紹介です。

Nielsen-Pearson / Nielsen-Pearson (1980年) フロント・カヴァー

Nielsen-Pearsonは、シンガー・ソングライターのReed Nielsen(vo)とMark Pearson(vo)の二人によるユニット。デビューした際は "The Nielsen Pearson Band" という4人組のバンドであったが、ファースト・アルバムの『The Nielsen Pearson Band』を発売した後にNielsenとPearsonのユニットになっている。

この『Nielsen-Pearson』はセカンド・アルバム。Chales "Icarus" Johnson(g), Neil Stubenhaus(b), Vinnie Colaiuta(ds)という腕利きのプレイヤーがバックを固めていて、ユニットとは言え、まとまりのあるバンドの音になっている。曲によっては、David Foster(k), Paulinho Da Costa(per), Victor Feldman(vibes), Tom Scott(lyricon)が参加。Fosterは4曲(2, 3, 6, 7)で鍵盤を弾いている。

収録曲は全て二人のオリジナルで、爽やかでメロウな曲を揃えている。中には「Annie」のようなドラマティックに展開するロック・ナンバーもあって、全員が一丸となったダイナミックでスリリングな演奏は聴きごたえ十分。クールな曲調や二人の整ったハーモニーは、Richard PageとSteve GeorgeによるAORユニットの "Pages" にも似ている。

曲によってリード・ヴォーカルを変えていて、Mark Pearsonが4曲(1, 2, 5, 6)を、Reed Nielsenも4曲(3, 4, 7, 8)を担当。ラストの「Hurt No More」は二人で歌っている。このうち、Markの歌う爽やかなAORソングの「If You Should Sail」がシングル・カットされ、Billboard Hot 100チャートの38位を記録した。

Reedの歌う「Givin' Your Love To Me」も素敵なメロウ・バラード。Great 3の片寄 明人さんはこの2曲に惚れ込んでいるようで、本作がサード・アルバム『Blind Luck』とのカップリングで1998年に世界初CD化された際のライナー・ノーツに、"僕は死ぬまでこの2曲を聴かせていただきます。" との賛辞を寄せている。

このアルバムのCDは長らく再発されていないが、今年(2021年)の10月27日にヴィヴィド・サウンドから生産限定紙ジャケット仕様で再発されることになった。これを逃すと、次の再発はまた20年後でしょう…

●収録曲
  1. Two Lonely Nights - 3:44
  2. Don't Let Me Go - 3:34
  3. Love Me Tonight - 4:16
  4. Annie - 5:48
  5. If You Should Sail - 3:28
  6. It Could Be Trouble - 3:46
  7. Givin' Your Love To Me - 3:32
  8. Don't Forget - 3:03
  9. Hurt No More - 3:54

◆プロデュース: Richard Landis(ar, k)

◆参加ミュージシャン: Reed Nielsen(vo), Mark Pearson(vo, g)
with Chales "Icarus" Johnson(g), David Foster/Peter Wolf/Jai Winding(k), Neil Stubenhaus(b), Vinnie Colaiuta(ds), Paulinho Da Costa(per), Victor Feldman(vibes), Tom Scott(lyricon), etc

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